etc book

□I’m fine, thank you!
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「露伴先生おはようございます!」

「朝っぱらから馬鹿みたいに元気だな、君は」



庭のテラスで1人コーヒーを飲んでいた露伴はギズモを見るとあからさまに不快感を露わにした。



「今朝はサンドイッチですか!オシャレですねー」

「見ればわかるだろ。いちいちデカい声出すな、迷惑だ」



ギズモは、すいません、と軽く頭を下げて庭の塀に近づいて来た。
露伴は少しぎょっとして後ずさる。



「な、何でこっちに来るんだよ!」

「だって声デカいって言うから…近づいた方がもっとよく話せると思って」

「そもそも話なんかしなくていい!毎朝毎朝ぼくの家の前まで来て、暇な奴だな」

「何言ってんですか。学生は忙しいんですよ!忙しい合間を縫ってこうして毎朝毎朝先生の調子を伺ってるんです」

「必要ないね。ギズモに心配される程ぼくは自己管理を怠っちゃいない」

「別に心配まではしてませんけど」

「…ッ!いいから早く学校に行け!!」

「わああサーセン!」



ガチャン!とコップを乱暴に置いてズカズカと塀に向かって来た露伴に、今度はギズモが後ずさりした。



「ぼくのことをからかってる暇があったら君の言う学生らしく勉強のひとつでもしたらどうだッ!」

「ほ、本当は毎朝露伴先生の顔が見たくて来てるんです!それだけ!じゃっ!!」



ギズモは早口で言い終えると、スカートを翻してダーッ走り去って行った。


……一方、その場に1人取り残された露伴は、やり場の失った勢いを持て余す羽目になった。



「…僕の顔なんか見て何が面白いっていうんだ」



さっきのギズモの真っ赤な顔の方が余程面白いと思うが。


ふと塀から顔を出すと、ギズモが途中ではちあわせたらしい仗助と億泰に早速捕まっていた。
慌てた様子をしつこく問い質されているところに、あとからやって来た康一までもが不審そうにギズモの顔を覗き込んでいる。


……それにしても…、



「あいつもあんな顔するんだな」



露伴は、面白いものを見た、という風に僅かに口の端を緩めた。
そしていつものようにギズモが近くの大通りの信号を無事に渡り終えたのを確認してから、家の方に戻って行った。




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露伴先生のご近所に住みたい.
用もなく遊びに行きます.

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