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□悶々、夏がやってくる
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「おはよー」

「おー、ギズモ」

「今日暑くない?まだ5月なのにさー」



ギズモの言うとおり、今はまだ季節は春だというのに気温は7月下旬並みという異常気象。
徐々に集まってきたクラスメイトも口々に暑い、暑いと愚痴をこぼしている。



「よくそん重そーな学ラン着てられるよね、仗助は」

「俺は好きで着てんだよ。それにまだ衣替えの時期でもねーしよォ」

「不良の根性ってやつ?」

「うるせー」



軽く足を投げ出し背を椅子にもたれかけると、ギズモは少し笑って俺の前の自分の席に座った。

…のだが。



「……ッ!」



その背が視界に入った瞬間、俺は思わず息を呑んだ。

ちょっと不意打ちだった。


何が、ってその…
透けているのだ。ギズモの……ぶ…、ブラジャー……が。

背中のホックとか、肩にかかるヒモとか、ピンクを基調とした花柄だとかが、もう色々見えてしまって丸分かりなのだ。



ギズモが椅子を深く引いているせいか、“それ”は俺の目鼻先数十センチ。
真後ろのこの席なんてまさに独占状態。
布1枚だけを隔てて、すぐそこに…



(……つか、何してんだ俺はッ!!)



ギズモは俺にとってただの気の合う友達で、別にコイツ自身、俺の興奮を煽るような色気もない。

それでも、微妙な罪悪感とは裏腹に俺の目は視覚の情報として受信し続ける。



(モロっつーんじゃなくて、汗でちょっと透けてんのがまたいーよなァ…普段しっかりしてるくせしてこーいうトコは隙アリって感じで…)

「あのさ、仗す…わ、近っ?!」

「…あ?!え、わ、わりィ!!」



いきなり振り返ったギズモの爽やかな初夏の匂いが鼻先を掠めて、俺の熱い脳ミソを刺激した。




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ぶどうが丘高校のセーラーって紺ですよね.全く考えてませんでした…
厳しい暑さの中で書いたお話.

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