etc book

□love and lies
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「あなたのことがずっと前から好きでした」



いきなり目の前でこんなことを言い出したのは確かに幼馴染のギズモ。

思わず思考ごと固まる。
口がパックリ開いて、言葉が出てこない。



「私と…、付き合ってください!」

「………え、ちょ…待っ」



必死に声を振り絞って出し、返事をしようとした時、



「なんつって!どう?ドキッてした?!ね、どう?!」

「………は…?」



さっきまでの緊張感は何処へやら、いつの間にか普段通りのおちゃらけた雰囲気に戻っている。



「…どういうこと?」

「練習!」

「告白…するの?」

「う…うん。で、どうよ、感想は?」

「心臓に悪かった」

「それどういう意味」

「いろんな意味」



まだ心臓がバクバクいってる。本当、止まるかと思ったんだってば。



「じゃあさ、アドバイスとかない?こうすればもうちょっと可愛いよー、とか」



ギズモは部活に向かおうとする僕の後ろを、しつこくついてくる。



「知らないよそんなの」



治まらない心拍と期待が外れた顔を見られたくなくて、歩く速度を速めて無理矢理振り切る。



「あ、ちょ…けんまーーっ!」



本気にしたじゃん、何だよ練習って。どんな顔していいかわかんないよ。

…こっちの気も知らないでさ。
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