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□解けない問題と
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「あー!もう!わっかんねえよ!」




そう叫んだ愛しの彼は
目の前のプリントから現実逃避しようとしていた。
愛しの、とか言っても私の片想いなんだけどさ。



「私そろそろ解き終わるよー」
「えー!いいなあー!」
「田島もはやく終わらせないと部活いけないんでしょ?がんばりなよー」




今まで何をしていたかというと、数学の小テストで合格出来なかったので…
先生に居残りを命じられて、与えられた課題をしていたわけです。




田島はぶっちゃけバカだ…
そんなバカなアイツに惚れてしまった私も
人のことを言える立場ではないんだけど!




「ここわかんないんだけど」そう言って田島は私の前の席に移動してきた。
「んー、ここはねー」と説明していると、不意に田島がこんな事を聞いてきた。



「佐々木って…好きな人いるの?」
「な…なんでそんな事を」
「いーから!質問に答えてよ!」




田島の唐突な質問に驚いた。
田島にとって私は普通のクラスメイトのはず、たぶん。
でも私にとっての田島は、好きな人だから…




「…いるよ。」
「んー、そっか」




自分から聞いておいてなんなのよ!
と思っていたら、田島が「…じゃあさ!」と続けてきた。





「俺が『付き合ってください』って言ったら…佐々木は困る?」
「…こ、こまんない、かな…」




風が吹いてカーテンがふわりと揺れる。

少し熱くなった顔に心地よい風が触れた。
これは…その…
期待してもいいんでしょうか?




そんな私をみた田島はいつものような笑顔で
…「好きだよ」と囁いた



解けない問題
(ふたりだけの時間)






もうわけわからんですね
田島初だったんでキャラがおかしく(



121114 end*
雫 shizuku


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