長編 ロスカラR2

□STAGE.02 日本独立
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バベルタワーに立て籠もっていた黒の騎士団は窮地に陥っていた。ブリタニア軍の下方からの激しい攻め立て、徐々に黒の騎士団は後退している。


「もう無理だ!逃げようっ!」


「もう少し持ちこたえて、ゼロがここの構造を掴むまで。私達も援護に向かうから。」


弱気になる隊員からの通信にカレンは励ましながら答える。そんなカレンの頭には神根島の光景が流れていた。


かつて、ルルーシュがゼロだと知った時、カレンは何も信じることが出来ずその場から逃げ出してしまった。


「ルルーシュ……」


ゼロの正体の名前を呟き、カレンは紅蓮を加速させる。


一方ルルーシュは現状把握の為に機密情報局員が持っていた手帳を眺める。


そしてルルーシュも記憶を遡っていた。神根島でスザクに捕らえられ、父であり皇帝シャルルの前に差し出されて、記憶を書き換えられた。そこでひとつの疑問が浮かぶ。


「C.C.……」


「私ではない、あの男にギアスを与えたのは。」


質問が分かっていたのかルルーシュが質問する前にC.C.は答える。


「ナナリーは何処に居る?」


「お前の妹を探そうにも黒の騎士団が壊滅状態ではな。」


「小夜子はどうなった?」


「ディートハルトと共に、中華連邦に逃れた。あの女はゼロの正体を知らない。ナナリーの重要性が分からなくても仕方ないだろう。」


「ふむ。」


C.C.の言うことは最もだ。それを踏まえてルルーシュは今後の計画を考える。


「皇帝にギアスを与えた者を探し出し、ナナリーを……っ!?」


(俺に妹はいたが弟はいなかった!誰なんだアイツは!?)


ルルーシュの記憶にロロの姿はない。少なくともブリタニアに居た頃に弟が出来たなどという話は聞いていない。


(まぁいい……)


「それより、アイツは?」


「誰の事を言っている?」


「ライだ。今何処に?」


ルルーシュの言葉にC.C.は少し悲しそうな表情を浮かべ、ルルーシュを見据える。


「それはよく分かっているだろう。」


「………っ!?そうか、アイツは……眠ったんだったな。」


皇帝のギアスを消した時にライのギアスも消えたのか、廃墟で最後にあったライの姿を思い出す。


「ライの事はどうする?探すのか?」


「その必要はない。約束しているからな。」


あの日の約束を思い出す。眠りに行くというライと交わした約束。


(だから、必ず帰ってくると信じているぞ。)


それはルルーシュとライの確かな絆の証だった。
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