優しい話。
□小さな虹
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鹿さんと羊さん ー小さな虹ー
リビングに入ると、涼しい風が頬を掠めた。
風のくる方を見ると、ヒョンが庭に出て、ひとりで遊んでいる。
彼が何をしているかなんて、一目瞭然もいいところだったけれど、一応確認をしておこうと思う。
「ジュンスヒョン…、何してるんですか?」
呆れ気味に問うが、ヒョンは何も気にする様子無く、
「お〜チャミナ〜!丁度いいとこに来たねっ?シャボン玉しようよー♪」
「ヒョン…貴方幾つですか」
「え。…21、かな?どうして?」
軽い冗談にも、ヒョンは真面目に答える。
バカみたいで(実際バカで)可愛い。
「いえ、もういいです。あと、僕は遠慮しときます」
軽く手を上げて遠慮の姿勢を示すと、ヒョンは案の定頬を膨らませた。