虹色の日々

□橙色
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Jside


今日も弁当持参で楽屋に到着。やっぱり翔くんが一番乗りで。

「おはよう。今日も弁当持参?」

「おはよ。弁当は続くよ。おばちゃんにキッチンを占領されてる沙織の我慢が限界みたいだから、選手交代するだけで。」

「順調に回復してるみたいだね。」

「うん。順調だよ。俺の筋トレも順調だし。」

「松潤の筋トレと関係あんの?」

「俺の筋トレのほうが沙織のオマケだからね。」

「ジム行ってんじゃないの?」

「ジムにも行ってるけど、沙織んちのトレーニングルームに通ってるんだ(笑)」

「は?」

「沙織が空き部屋にトレーニングルームを作っちゃったんだ。で、リハビリの間、付き添いをしながら筋トレしてんだよ。大きいのはルームランナーとエアロバイクだけだけど、結構やれるんだ(笑)」

「へぇ。」

「食事付きでトレーニングできるからいいでしょ。で、これ、差し入れ。」

沙織に持たされた袋から、紙袋を出す。

「何?これ。」

「俺も知らねぇ。なんだろ。」

翔くんが袋を開けると、広がる甘い匂い。

「おぉ!マフィンだ。美味そう。いろいろいっぱいあんじゃん!」

「ニノの分を取っとかないと、後がうるさいだろうな。」

「すいませんね、うるさくて。」

「おぉ!ニノ、おはよ。」

「おはよーっす。美味そうっすね。」

「今日は三人で山分けだ。ひとり3つな。一個余るじゃん(笑)」

「俺、一個でいいよ。彼女に持ってけば?」

「いいの?!やった!」

「翔ちゃん!3個全部はズルいって!一個くらいちょうだいよ。」

「もちろん、いいよ。」

ニノと翔くんがマフィンの山分けを始めた。俺も抹茶味を一個キープ。

「ニノ、ジャンケンすっぞ。」

「え?!なんで?」

「俺、後3勝(笑)」

「嘘?!すげー早いじゃん。」

「今日は俺が代理(笑)最初はグー!ジャンケン「ポン!」」

「やったー!これで俺も3勝!」

「チッ。勝ったら2勝だったのに。」

「何?五勝でなんかあんの?」

「ちょっとオマケ付きの、ただのジャンケンだよ。沙織の企画の。俺なんか15勝だよ?」

「潤くんは毎日チャンスあるじゃん。」

「なんか楽しそうだな(笑)」

「潤くん、沙織ちゃんに電話して。」

スマホをタップすると、すぐに出た。待ってたのか?

『もしもし?』

「俺。ニノが話あるって。代わるぞ。」

ニノにスマホを渡す。

『もしもし?和くん?』

「沙織ちゃん!元気そうだね。マフィン、ありがとね。翔くんと分けたよ。」

『ちゃんとご飯食べてる?』

「相変わらず弁当と外食ばっかりだよ。」

『また来ていいからね。』

「ありがとね。あ、俺、勝ったよ。あと3勝!」

『おめでとう。お仕事頑張ってね。』

「沙織ちゃんもね。」

『潤くんに代わって?』

ニノからスマホを受け取る。

「もしもし?調子どう?」

『元気よ。さっき、散歩がてら、お母さんと買い物行ってきたの。』

「無理はするなよ。散歩行ったなら、今日はトレーニングなしな。」

『するよ。八百屋さんに行っただけだもん。15分も歩いてないし。』

「ほどほどにしとけよ。」

『はぁい。今日は遅くなる?』

「多分ね。寝てろよ?じゃあな。」

『頑張ってね。』

電話を切ると、翔くんが残念顔。

「あ〜、俺もお礼したかった。」

「伝えとくよ。あいつ、電話嫌いなんだよ。疲れるんだって。」

「そうなの?楽しそうだったよ?」

「電話の時はテンションあげてるんだって。いつも終わるとグッタリしてる(笑)」

「だからニノも番号知らないんだ。」

「そ。そのうちねって誤魔化されてる(笑)」

「アドレスはともかく、沙織の電話番号はプレミアものなんだよ(笑)」
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