Calling

□6.5・桜の季節
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春のランダムSS
(三井グレ期連載Calling番外編)





1年の春は、希望に満ちた春。


湘北に入学したばかりの俺を出迎えてくれているかのような優しく暖かい春の陽気。

やってやるぞ!
そんな気持ちでくぐり抜けた、桜のトンネル。







2年目の春は、荒れた春。

そういえば天気も荒れていた。強い風が吹き荒れる桜吹雪。

伸びた髪に絡み付く桜の花びらがうざかった。
その桜のトンネルの真ん中で、ケンカに明け暮れた。








3年目の春は、病室で迎えた。

春になる直前に、2年の宮城をシメようとした。そしたらアイツは俺一人に殴りかかってきた。結果相討ち。俺も宮城も病院送りだ。



どこか1年の時の俺のような自信に満ちた姿が、目障りだった。



今年の桜は、しっかりとは見られそうにない。完治したころには葉桜になっているだろう。




桜は満開になった頃と散り始めが一番美しいという。
花が散った後の葉桜はどこか空虚な、寂しげな雰囲気を醸し出す。






いまの俺は葉桜だ。
今まで咲き誇っていた花を無くした存在。


桜のように凛と咲き誇る、磐田瑠衣の存在を無くした。




もうなにも恐れるものはない。
そう自分に言い聞かせる。





ふと、病室の外をみると



どこからともなく飛んできた桜のはなびら。






桜の季節
(3年目の春がはじまる。)


BGM:春/B'z




…―…―…―…―…―…―…―…



拍手に掲載していたSSです。
6話後、入院中の三井の独白です。




2015.04.07 拍手掲載
2015.06.06 再編
朔夜




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