Calling
□6.TIME
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どんより曇った空を見上げる。
午前中はあんなに青くて明るい空だったのに…
なんだか、胸騒ぎがした。
Calling
―6.TIME―
昼過ぎから寿がいない。
ここ最近、サボリが増えたように感じる。
そういえば、堀田達も見てない。
どこか遊びにでも行ったのだろうか。
「三井達はどこいったー?」
気づいたら6時間目も終わり放課後。担任の中西が気だるそうにあくびをしながらやってきた。
『昼過ぎから消えた』
「…ったくよー。最近サボリすぎだっつーの。進級決まったとたんコレだからな」
『進級発表もうでたの?』
「まぁどうにか三井も堀田達も進級できるぞ。俺がかばってやったんだからな感謝しろよ?」
ニッと笑ってブイサインをする中西。
この先生らしからぬ風貌とふるまいのせいか、瑠衣や三井、堀田達も中西だけは信頼していた。
「ま、磐田は進級は全く心配ないけどな」
『当たり前でしょ。真面目だもの。』
「その風貌でか?」
『見た目は見た目!じゃあ雨降りそうだし私は帰る。アホ教師、あとは自分で探せ!』
「おまっ…担任に向かってなぁ…」
そんなやりとりをしていると、パタパタと廊下を走り抜け教室のドアをガラッと開ける音がした
「瑠衣さん!!リョータ見ませんでしたか!?」
『……ん??アヤちゃんどうしたの?』
ハァハァと息を切らせながらやってきたのは彩子だった。
「リョータが練習に来てないんです」
『え、一緒じゃなかったの?』
「私は今日は委員会の仕事があって遅れてたんですけど……練習開始から30分以上たつのにまだリョータがきてないって赤木先輩が…」
「1年の宮城リョータか?アイツは授業はサボるけど部活はサボったことがないはずだよな…」
一部始終を聞いてた中西が話しかける。
「じつは……瑠衣さんには言うなってリョータに止められてたんですが…」
かすかに震え出し顔つきが変わる彩子。
『どうしたの…?』
「リョータ、ここ最近三井って先輩に因縁つけられてたんですよ……数日前も帰り道に出くわしたって……」
『……っ………アヤちゃん………リョータ探そう。』
空はいまにも雨が降りそうな程曇っていた。
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