Calling
□4.Bad Communication
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「姉御ー!!おはよーごさいます!!」
「瑠衣さん、今日もきてますよ」
『もはや舎弟とかじゃなくてストーカーだよね……』
Calling
―4.Bad Communication ―
屋上での一件以降、堀田とその仲間達は瑠衣を慕い毎日のようについて回るようになった。
『つーか、今日休日だし!!貴重な休日にまでついてくんな!!家にまで押し掛けんな!!』
「そっスよ!しつこい男は嫌われるんスよ!」
「だって姉御ー…姉御のことが心配で…」
『うるせーよ!やすませろよ!』
「今日は瑠衣さんは私とデートッスよ!女子会なんスよ!」
アパートの玄関ドア前での攻防。
ある意味、近所迷惑な言い争いだ。
『寿はどうした寿は。そっち行けよ』
あきれたように瑠衣が諭すと
「みっちゃんは珍しく風邪で寝込んでるんだよ」
と少ししょんぼりした顔で堀田が答えた。
『は?』
「みっちゃん先輩が?珍しいッスねー」
「だから姉御もお見舞いいきましょうよ」
後ろ手に持ってたらしい花束を見せてアピールする堀田だが…
『なんで』
「風邪なんスよね?」
「えっ…」
『ってか、花束を渡すほどのもんじゃないだろ』
「そっスね。入院したとかじゃあるまいし」
『堀田だけ見に行けば?』
「そっスね。あとでどうだったか連絡してください」
そういって2人はスルッと堀田の間を抜けて出ていった。
「姉御…………冷たい……」
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