Novel

□オレの名前を
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ざわざわといつも通り騒がしいギルド。朝方昇ったお天道様は今、ギルドのちょうど真上でじりじりと熱を地面に浴びせている。少し運動すれば、たらりと汗が流れる、そんな日。ナツとルーシィは今回の仕事の依頼主のもとへ向かうため、列車のある駅へと向かっていた。

「あ、暑い……」
だらだらと項垂れた様子でナツが歩く。左の晒された腕がほんのり日に焼けていた。ちらちら見える肩との色が違う。そんな日に焼けたナツの腕を見て、ルーシィは自分の腕を確認した。自分は日焼けをしていないか。腕、足、顔。暑いからと、普段よりも短い丈のスカート、露出の多い服を着ているが、日焼けが気になって仕方がない。朝、念入りに日焼け止めを塗ったとは言え、心配なのだ。

「ねえ!」
ナツに向けて声を発する。
「ちょっと!」
明らかにナツに向かって声を掛けているのに、ナツからの返事がない。
「聞いてるの!?」
思わずナツの服を掴む。ナツは立ち止まるとルーシィのほうへ向き返った。

「名前呼べよな」

少しだけ顔を歪ませて、ナツが頬を染める。その姿と返事をしなかった理由が可愛くてルーシィはにこりと唇に弧を描かせた。

ばかなんだから。
心の中で毒づいて口を開く。
「ナツ!」

ナツはおう、と返事をするとニッと笑みを浮かべた。


オレの名前を【完】
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