クロスボーン・ガンダム〜鋼鉄の乙女〜
□第一話「クラスメイトは女しかいない」
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あの日、たった一つの出来事が世界を変えた。
「白騎士事件」と呼ばれる、「IS」という存在を見せしめる為のテロと言っても過言では無いかもしれない事件。世界数十ヶ国もの軍事システムがハッキングされ、2341発に及ぶミサイルが日本に発射、その全てを、天才科学者篠ノ之束が開発したマルチフォーム・スーツ、IS一号機「白騎士」が迎撃、それを目撃していた周囲に存在する軍艦等の軍事兵器を無力化させた。この事件によって世界全体がISに「世界最強の兵器」という目線を向け、それまで少しも注目していなかったISを渇望し始める。
しかし、ISには欠点があった。
それは、
〔女性にしか扱えない〕
この最大にして唯一の欠点が世界のパワーバランスをひっくり返してしまった。
こんな風に世界が変わった事で、いくつかそれに関する建造物が建てられた。その内の一つ、
〔IS学園〕
IS操縦者、メカニック等の育成専門特殊国立高等学校。世界中のISに関わる人材のほぼ全てを此処で育成している。
このIS学園の前に1人の男性がたたずんでいた。
『ほぉー。思ってたよりさっぱりしてるじゃないか、IS学園』
少し大きめのボストンバッグを担ぎ、シャツのボタンを第二、ブレザーに至っては全てのボタンまで開けていて、ラフさ全開の長身の男。濃紺の髪の毛にエメラルドグリーンの瞳をした彼は、少し微笑みつつ門をくぐる。
『さて……これから何が始まるのか……楽しみだな』