好きです鈴木くん!!


□第一話
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――13歳 君と出会い


    君に恋をし



――15歳 君と別れ


    君を深く思ったまま



――17歳 今も君の面影を探しつづけてる


    ただひたすらに、君を想い続けて






――これは、甘く切ない、3人の少女と、2人の少年の恋物語…










…ピピピピピピピ……


早朝。
ある一軒家に、目覚まし時計の音が響く。


「ん、もう朝か…。」


目覚ましを止めたのは、今日から中学一年生の苗字 名前。

幼いながらに美しく、それはそれは、男たちからモテた。
しかし、彼女にはそんな自覚はなかった。

ゆえに、今まで泣かせてきた男の数も、数知れず。


「…友達、できるかな…?」


昔から人見知りで、表情を表に出すのがあまり得意ではない名前は、それを不安に思っていたのだった。





「ふぁーあ…眠い…。」


南中の制服を着て、通学路を歩く。

美しいウエーブのかかった黒髪が、風でなびく。
その姿は、中学生には見えぬほど。


「ん…?あれは…。」


「だから、これから入学式だって言ってるでしょ。」

「いいじゃん、そんなのサボっちゃえば。俺たちと遊びに行こうよ。」


数m先には、同じ南中の制服を着た女子と、その女子を囲む数人の男。
これは見るからに…。


「ナンパ?」


しかも、女子はいやがってる。


「…どうしよ。」


無視しようにも、それは人としていけない気がする。
しかし、自分はそんなヒーローキャラではない。

むしろ関わりたくないのだ。


「うーん…。」

「ん?キミも南中の子?」

「…え?」


悩んでいると、急にかけられた声。

前をむくと、さっきまでのナンパ男たちの一人だった。


「うっわ、かっわい!キミほんとに中学生?めっちゃ美人だね。」


そういって、肩に触れようとする男。


(――虫唾が走る。)

「触るな、下衆が。」
 

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