喰えない子
□喰えない子。
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「いっておくが、あの娘には下手なマネはするなよ。アレは私のペットみたいなものだ」
ボクがものを言うよりも早く、釘を指す兄上。
これは相当のオキニイリのようです。
「兄上。」
「なんだ。」
「そればかりは聞き入れられません」
「…なに?」
兄上の眉間のシワが濃くなりました。
これは大変だ。
次の言葉が飛んでくるよりも早く、僕は窓際まで跳んだ。
「よっ、と。」
「おい、何処へ行く」
「はい。僕も兄上のオキニイリが気になるので、今から接触してきます。それでは。」
びょーんと、返事を待たずに窓から飛び降りました。
「あっ、待てこら!」
兄上のオキニイリとは、どれ程のものだろう。
ウーン、なんだかムズムズします。
これが楽しみという感覚でしょうか。