記憶。

□1.
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植えた日からずいぶんと経って、

私たちは中学生になっていた。


入学してからもう1ヶ月が過ぎ、

みんなクラスに馴染めている様子。


でも、

少し口が悪くて

同じ学年の女子から目をつけられている私は

まだ馴染めてない。


(あ、)


ふと目に入った黄色い髪。

あの子なんて、もう人気者になっちゃってる。



「遥っち、おはようっス!」

私に気づいてくれたのか、

明るく話しかけてきてくれた。


黄瀬涼太。


小さい頃からの馴染みであり、


...私の好きな人。


あいかわらず、涼太の周りには

女の子がいっぱい。


そんな女の子たちよりも私を優先してくれた。

ちょっと照れくさかったけど

「おはよー」

と、笑顔で返した。



周りの女の子たちは、

そんな私をいつも見てくる。

そしてひそひそと言う。


「何あいつ」

「黄瀬くんに話しかけられたからって、調子乗ってんじゃねーよ」

「うざいよねー」



いや、知らねーよ。


涼太が話しかけてきただけだろーが。




そんなやつらを無視して涼太に話しかける。






「今日も、水やりに行こうね」




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