頂き物&捧げ物
□気紛れcourage
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■[気紛れcourage](1/3)
みんみん様に捧げる500キリリクです。蒼龍にさせてもらいました【Ω】
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龍峰の体調が悪そうだからと急遽蒼摩が五老峰まで龍峰を送って行くことになった。
恋人である蒼摩からすれば役得だ。
龍峰の身体を気遣いながら野を超え砂漠を超え、あとは山を越えればもうすぐ彼の故郷という時。
雨が降り出した。
「ああ、降ってきちゃったね…もう少しなのに」
「大丈夫だ、龍峰」
「え?」
「こんなこともあろうかと…じゃじゃーん!折畳傘!これで歩けるぜ」
「わぁ!蒼摩準備いいね!」
雨が降り、不安げな龍峰を簡単に笑顔にしてしまえば、二人で小さな傘に身を寄せる。
「龍峰、もうちょっとこっちこいよ。濡れて体調がもっと悪化したら大変だろ?」
「あ、うん…」
濡れないように二人で寄り添う。
しかし実際は蒼摩の左肩は濡れている。
何故なら龍峰をできるだけ濡らさないようにと自分の身体は半分位傘からはみ出させているから。
「蒼摩、肩…」
「気にすんなって。龍峰が濡れるより全然いいし」
「でも…」
「俺が冷たくなったら龍峰があっためてくれるだろ?」
心配する龍峰に雨に濡れながらにこっと笑いかける。「勿論元気になってからでいいけど」と付け足して。
そんな蒼摩の言葉に真っ赤になって龍峰は俯いてしまう。
でも小さく「勿論ちゃんと温めるよ…」とぼそりと呟き蒼摩の空いてる手でわしゃわしゃと頭を撫でられた。
気温は低いし、天気も悪いけれど龍峰の心は温かかった。