虚圏*破面

□琥珀色の瞳
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ねえ、ヤダ。

イヤだ。



あの子の所に行かないで



******





いつからかウルは織姫ってゆう
人間の女の子の監視役になってそれ以来
何かにつけて一緒に居る…。



正直ズルイ…。



あの瞳に映るのはもう私じゃない
そんなこと思ってるのは誰も知らないんだけどさ。



哀しくなった。
傍に居られないなら
生きてる意味なんてないよね




「グリ!!」



気性が荒いところが相性のいい
グリムジョーの名前を呼んで飛びついた。



「またてめーか!

くっつくなっていってんだろ暑苦しい」


「もう!
それどころじゃないよ!!

もうヤダ!ウザい!暴れたい!!」


「あ?
なんだてめー

随分とご機嫌ななめじゃねえかよ
おもしれえ!!

なんかぶっ殺しにいくか!!」



そう。
なにか苛立つといつもコレ。



「流石グリ!!

よくわかってる!!」


ささっと準備をして現世へ向かおうとした。


あの女の故郷だ。
空虚町だったか?
私から大切なモノを奪ったんだ。
お互い様だろう、恨むならてめーの行いを恨め。


そう、悪い笑みを浮かべた。



「誰の許可を得て
何処へ行くつもりだダリア。」



ズキっと胸が痛んだ。



振り返ると愛しい姿が罪人を見るかのような瞳で
こちらの様子を見ていた。



「ウルキオラ…」



しなっと言葉を失ったダリアを見かねて
グリムジョーが言葉を放った。



「俺の許可だ!!

虫唾が走るからぶっ殺してくんだよ!!」



「グリムジョー。

貴様の気性の荒さがダリアにも移ると厄介だ。」 



ピシっと電気が走った空気だったが
グリムジョーがダリアの手を掴み現世へと連れて行った。




―どいつもこいつも
私欲目的の為だけに好き勝手生きている奴ばかりだ。




そう思ったウルキオラの目の先に映ったのは
監視している織姫の姿だった。

















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