年末年始2013

□宴
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宴会開始から数時間。

宴もたけなわ。まさにその言葉がふさわしい と言える状況だった。



「んーーふふふぅ〜お酒も
美味しいしご飯も美味しいし〜
最高♪」

「ねー、松木さん」

「……っ…?!」

(あーあ………)

三日月は酔っぱらうとキス魔…

いや、最早、痴漢行為といっても
いいほどのスキンシップを
はかりはじめる。

長い付き合いからその事を
知っていた鈴木は、

離れた場所で松木の唇が三日月に
食われている様子を眺めていた。



「おい!
離れろこのキ××イ!!」


そこにすかさず十条がやってきて、
力強く三日月を松木から引き離す。



「…あー、びっくりした……」

「美味しかった♪
十条さんもシヨー♪」

「…触んじゃねえっ…
気持ちわりぃ」

「嘘嘘〜十条さんもしたかったんでしょ?ね?」

「お前を相手にしなきゃならねー
程不自由はしてない」

「そうなの〜?
でも俺なら×××も××××して
あげれるよ」

「それに十条さんって××とか
××××も好きそうだしィ」

「……おい…お前、言ってて
恥ずかしくねえのか」

「え、でも当たってるでしょ?
俺こういうの当てるの超得意
なんだよね」

「当たってる訳ねーだろうが

「あ、十条さんまた嘘吐いてる〜、
眉毛ぴくってしたもん〜アハハ」

「へえ……拓也って、そうなんだ」

「っ…ちげーって言ってんだろ!
お前、信じるなっての!!」

「………」



十条達が巻き起こしている激しい
酔っぱらいの攻防をヨソにー

御園はいよいよ三宮に
接近していた。



(ご主人様、ひとり…で、
いる……!!今が……
チャンス…!)



じりじりとにじり寄っていく
御園。



「あん?…何だ、御園」



三宮は酒のせいか、
酷く潤んだ瞳に、トロンと
した口調で御園に向き合った。



(ごっご主人…様……っ…シャツの
スーツが…乱れ、て……っ)

(……頬、も…ちょっと…
赤い……っ)



四つん這いで三宮に
超接近し、肩に触れる。



「ごしゅじ、んさま…」



そして我慢できない、と言った
様子で御園はー



「ーー」

ちゅっ。

唇を押し当てるだけの軽い
キスをした。

「……………」



そうして恐る恐る唇を話すとー

憮然とした顔の三宮が
御園の視界にうつる。



(あ、……ああ…っ俺…また………
なにか……へん、な事…
した…っ)

(俺…も…、もっと…、ご主人様に…
抱っこ…とか…キスとか…して
貰いたい、のに…っ)



怒られるのかと想って、御園は
きゅっと目を瞑った。

ーが。



「下手クソ」

ちゅ…にゅる、……
ちゅ、…ちゅぱ…っ

「……?!」



突然口内を占領し、あやしく轟く熱…

それが三宮の舌である、と気がついた御園は
たまらず、吸い返し、更に貪った。



「あ……ぅ…
ご主人、様……っ……!?」

「……フン」



長いキスを終えて…何故か
得意気な三宮。

御園は突然訪れた抱えきれない程の
幸福に浸りきって、ちょっとした
パニックに陥っていた。


山野井
「ちょ……三宮……っ、
…何…してんの…?」



その光景を遠くから見守っていた
山野井は突然の展開に立ち上がり、

三宮の元に
歩み寄った。



「…酔った勢いで意味もなく…
三日月さんみたいな、
そういうのはー俺…」

「…………ああ。
何だ。お前もしてーのか」



三宮は近づいて
きた山野井の腰をグイっと抱きー

ちゅ。


山野井
「……え?!!!!」

ちゅ…くちゅ……っ………

……濃厚に口付けた。


「っっ……な、……
っに、して……っ」



ガタン!と大袈裟な音を立てて
三宮から離れる
山野井。


「?ンだよ……、変な奴だな」



三宮はそんな
彼の様子等意に介さず、手に持って
いるグラスワインをあおった。

どうやら三宮は
ひどい酩酊状態であるらしい。

そう気づいた執事達は…様々な
想いを交錯させ始めていた。


松木
「あ、コレが…東雲さんの
言ってた…酔っぱらいの
三宮さんかぁ」

浅葱
(……何馬鹿みたいに飲んでん
だよ……アイツ…)

十条
(オイオイ…、あの野郎、仕事
しすぎじゃねーのか)

鈴木
(……。トーリに比べたら
可愛いモン)

御園
(マジご主人様ご主人様ご主人様
ご主人様ご主人様)



普段とは異なる子供のような
三宮に興味を
惹かれて…

自然と胸が高鳴っていく。


ーー本当の宴はこれから始まる…
の、かもしれないーーーーー
`
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