ハロウィンイベ報酬

□鈴木
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ここは三宮が魔力で作りだした異次元世界…

鈴木の衣装にぴったりの空間を作り上げたのだ。

三宮はすっかり意のままに「魔力」とやらを操れるようになったらしい。



「ご主人様〜お注射の時間ですよーどいてくださーい」


鈴木はこの異常事態にさして驚く様子も見せず、やる気なく呟いた。

三宮はその言葉に反応する事無く、壁際に鈴木を追い詰める。



「ほう、それは楽しみな事だ」

「えー?そんなに期待されても困りますねえ」


それから鈴木はおかしくてたまらないといった風に目を細めて笑った。



「…あんたって本当、頭おかしいんじゃねえの?」

「訳わかんない化け物とまで仲良くなっちゃってさぁ…」




三宮もそんな鈴木に対し笑みを浮かべた。

…そうして手の平から黒い光を放出し始めた。

その黒い光はヒト型になりー、大柄な人間…男のようなものになり、ベットサイドに佇んでいる。

乱れた長髪の間から、目を光らせて。




「………今度は何ですか」

「く…くははは!この姿になんの何年ぶりかわかんねぇなぁ…
サイッコーだぜ!」

「たまにいるんだよなら…魔力を使いこなせる人間てのがよ。あんた、感謝するぜ」



その男は三宮を見て、不気味な笑顔で声を荒げる。


「ほら鈴木、仲良くしてやれよ。お前の言う…化け物と、な」

「ハ。化け物…か。せめて今はジャックって呼んで切れよなァ」

「ジャック…ねぇ」



橘が言っていたジャック・オー・ランタンの…生来の姿ーだとでも言うのだろうか。

無精ひげと歪んだ笑みにより複雑な顔つきになっているが、
しっかっり通った鼻筋と碧の瞳は
美しかった。



「そうそう。いっつものあのダセェランタンで居るから、この姿んなっても誰も気づかねえけどな」

「……っ…っ?」



ジャックは言いながら鈴木の顎を
強引に掴み、自分の方へ向かせる。


そしてー


「何…だよっ…!!」

「ふぅん。まだガキだが、
泣かせたくなるツラしてんなァお前」
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