本日晴天ハジケ日和!

□ハジケて2
1ページ/5ページ






『あはははは…;;』



爽やかな風が吹き付ける街


『いやぁ…全くもって』


本日晴天、旅日和


『笑えない笑えない;』


感度は超極悪


今のこの状況を表すとするならそれ以外のなにものにも及ばないだろうと自信を持って言える。





それほど最悪且つ危機的状況だったりするのだ






なんせ毛狩り隊に囲まれているのだから



「あんたの髪、ずいぶんキレーなオレンジじゃねぇか」




『そりゃどーも』



正直な話しがウッザイ。コイツら毛狩り隊なんぞに言われたくない。





素っ気ない態度が気にくわなかったのか、何か言っている



が、敢えて聞かないでおく




あー癒しのわが弟に会いたい
あ、コパッチもある意味すごい癒しだアレ





「…っかかれーー!!」




『……はっ?』



急にかかれと言われて思い付くのは強襲くらいだ





まさかの…毛狩り開始!?





まずい、これは非常にまずいことになってしまった。



『ちょぉぉおおおっ!!』





一瞬、女なのかと疑われる声だがいまは緊急事態だ仕方ない。



不幸中の幸いなのか、生憎なのか
道には人なんておらず、犬や猫もいない。



それを良いことに俺は全力疾走した。
だが逃げていても埒が明かない




『……っ、仕方ない!』



少し距離を空けたところで立ち止まる。毛狩り隊達は諦めたと思ったのか口角を上げていた。



「さぁ、観念するんだな嬢ちゃん」





今度こそはとばかりにかかってくる毛狩り隊



『観念するのはお前らだ…』


右手に力を籠め、毛狩り隊達をもっと引き寄せる。




あとわずか――そこで一気に右腕を横に払った。



「ぎゃあああ!?」


「う、腕がぁ!?」



吹っ飛んでいく毛狩り隊達を尻目に、驚いて動けない奴等にも腕を振るっとく。理由は簡単、後々なにかされると厄介だから




「ば、化け物…」


誰かがそう呟き、声がしたほうを見ると一人の毛狩り隊がビビって逃げ出した。
一人くらいならいいだろう


『…化け物か………』



呟きは、誰に聞こえるわけでもなく空へ溶けた
空には虹が架かっていた。






.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ