IS〜Phantom operator〜IS長編

□第1次命がけの鬼ごっこ
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5月。
一夏とのクラス代表決定戦から、数週間経ち一夏と鈴の仲が少し険悪になり、何故か、一夏とディアスが男だから同じ部屋にしようとしたら、箒が文句を言い、ディアスが外来の客室を使い続けたりと平和に日常が過ぎ去っているある日に事件は起きた。
「なぁ、ディアス!頼む!」
「………はぁ、頼むって言われてもな…」
…あぁ〜…ったく、めんどくさい…
自分の目の前で頭を深く下げる一夏を見ながら、ディアスは机に頬杖をついてため息を吐き出した。
…って、言うより…これでこいつの頼みを聞いたら、賭けの意味が無くなるってーの…
「何でお前有利の賭けで、しかもお前にしか得しねぇ賭けを飲んだ俺が、お前の頼みを聞かないといけねぇんだよ…」
「うっ…確かに、そうだけど…箒と訓練したら、ISじゃなくて剣術の稽古になるし、セシリアは中距離射撃の訓練になるから、あまり意味が無いんだよ」
ディアスに助けを求める理由を一夏がそう言うと、ディアスもため息を吐き出した。
「…で、訓練方針を巡って二人が喧嘩を始めたら始めたで、俺が怒られるし…」
何で、セシリアが一夏に訓練をしているのかというと…

『良い事ですの?一夏さん、仮にもわたくしを破ったディアスが貴方を推薦したからには、無様な姿を晒すわけにはいかないので、このイギリス代表候補の、このわたくしが特別に訓練に付き合ってさしあげますわ』
『いや、俺のISって、近距離格闘型だから、セシリアに教わった事を活かせるかどうか、わからないぞ?』
『何を言ってるんですの!?ISの操縦はあなたより上手いんですのよ。…あなたには少なくとももっと、上手く操縦出来る様になっていただけなければ、勝てる試合も勝てなくなってしまいますわ』

…まぁ…セシリアに関してはどんまいってしか言えないが…
「…面倒、お前にISを教える位だったら、覗きをしてるっての…もし、覗きの現行犯で捕まったら、お前の願いを一つ叶えてやるよ」
「おい、幾ら何でも冗談が過ぎるって…」
「そうだな…だが、気が向いたら、教えてやるよ近距離格闘型だからな」
…そう、この時の一夏には、男同士だから冗談だと解ったのだが、ディアスは此処が何処なのかと言う事を失念していた。

自分達が居るのはIS学園、女達の園のど真ん中に居ると言う事を…
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