IS〜Phantom operator〜IS長編

□クラス代表決定戦
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「うう……」
「こんな基礎で、ぐったりしてるなんて大丈夫かよ?」
 放課後、ぐったりとしている一夏に声をかければ、助けを求める様にディアスに視線を向けた。
「い、意味が解らん……。なんでこんなにややこしいんだ………?ディアス、助けてくれ…」
「アホか…入学前の必読と書かれている奴で勉強しなかったお前が悪い。…じゃ、俺は要件があるから、これでな」
「うぅ…薄情者」
 机にうなだれる一夏を放置し、ディアスは教室から真耶とすれ違って出ていけば、アリーナにへと向かった。
 …さって…遊んでやるからな…セシリアよぉ…
 口の端を釣り上げて楽しそうに喉で笑うその姿を見て、彼を見ていた生徒達は背中冷たくなるのを感じて、距離を取った。
「ねぇ…あれって…」
「1組の獅子神君だよね…」
「なんだろう…ちょっと怖いよね…」

さて…相手は中距離射撃型だったな…なら、思いっきり恥をかかしてやるか。
控え室に入ったディアスは、真っ黒な笑みを浮かべれば、自分のISの装備を何にするかを決めた。
白き聖騎士は雷を携える
思考で自分が使うISの装備一式を装着パスワードを呟くと、右手には真っ白な刀身を持ち、胸の中心にロザリオが描かれ、白を基調としたロングコートに似た装甲を纏った白と所々青い装甲のツートーンの機体…ファントム・キスクを展開した。
「…覚悟しろよ。セシリア・オルコット…」
そう呟き、ディアスは解放されたゲートから飛び出した。

「あら、逃げずに来ましたのね」
セシリアが鼻を鳴らし、腰にて手を当てたポーズでアリーナに来たディアスを迎えた。
「はっ、お前こそ震えて居ると思ってたんだがな」
…さって、いっちょ遊んでやるか…
「最後のチャンスをあげますわ」
そう言い、セシリアは腰に手を当てたまま、ディアスに人差し指を突き出した。
「わたくしが一方的な勝利を得るのは自明の理。ですから、ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ、今ここで謝ると言うのなら、許してあげないこともなくてよ」
−警告、敵IS操縦者の左目が射撃モードに移行。セーフティーロック、解除を確認−
…へぇ…言葉と言動が一致しねぇな…
「そうだな…なら、そのチャンスをいかすか…とても残念な頭を持つ、エリート意識が高い自信過剰の常識知らずなセシリアに常識を求めた俺が馬鹿だったです。ごめんなさい」
「…どうやら、貴方には相当命がいらないみたいですわね」
ディアスの言葉を聞き、顔を真っ赤にして睨み付ければ、ディアスは相手に挑発が効いた事に楽しそうに口の端を釣り上げて笑った。
−警告!敵IS射撃体勢に移行。トリガー確認、初弾エネルギー装填−
「お別れですわ!」
キュイン!
耳をつんざくよいうな独特の音。それと同時に走った閃光を、ディアスは体を半身にしてかわした。
「さぁ、踊りなさい。わたくし、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲で!」
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