氷帝

□milk,kitty,candy
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毎日。毎時間。毎分。毎秒。
想うことがあります。



君が、

悲しい思いをしていませんように。

健康でありますように。

お腹が減っていませんように。

幸せでいますように。


…僕を、

好きでいてくれますように。



毎日毎日願っています。

最後のひとつは、全ての願いのおまけでいいから。
僕のことを好きでいると、幸せになれないと言うのなら、君の幸せを優先してくれていいから。

こんなことを伝えたら、
「お前は回りくどい。」
と、怒られるのでしょうね。

男前な君のことだから、
「最後のひとつがあればそれでいい。」
なんて言ってくれると期待してみてもいいですか。



窓から注ぐ春の陽射しは、少し暑いくらいだ。
まるで、君のようだと勝手に考えています。

言葉で表すのなら

暖かいよりも、熱い。

寒いよりも、冷たい。

そんな君のようだ、と。


君のことを考えていると、いつのまにか時が止まる、なんて映画みたいなことは起こりません。

だって、

「あ!跡部様!」

こんな声を聞きつけることが出来なくなってしまうでしょう?

窓の外に向けていた視線を、声の聞こえた方向に向ける。

廊下には、君の姿。

クラスが馬鹿みたいに遠いため、偶然に校内で会うなんてなかなか無いのに。

そう思うのは俺だけで無いのか、あっという間にたくさんの人に囲まれる君に、今日も皆に愛されているなぁ、と嬉しく思います。

だけど。
それと同時に今すぐ君の元に駆け寄って、抱き締めて、キスをして。
こんなに美しい彼は自分のものだと自慢してしまいたい。



一瞬、ちらりと視線が交わった気がして。

(け・い・ご)


口パク。


見えているかな。
そもそも俺に気がついてるかな。

ふい、と顔を反らした彼の蜂蜜色の髪から覗く耳が赤いのには、自惚れてもいいのだろうか。

可愛い可愛いあの子はすぐに見えなくなってしまったけれど。

なんだか今日は幸せな1日が過ごせる予感です。



ずれ落ちる伊達眼鏡を押し上げて、君の夢が見れるようにと、うつぶせた。



end



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