朝霧桜は百合色に

□もうタイトル思いつかねーよ!
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その日の夜。





「理可ー!晩ごはん、食べないのー!」

「............いらなーい!」


扉の外から聞こえて来たお母さんの声に、アタシはぶっきらぼうに答える。




食欲なんて全くなかった。


頭の中は早織の事だけ。



「全部食べちゃうわよー!いいのー!」

「...........いいよ。」

「全くもう..........あとでお腹空かしても知らないから!」


お母さんが階段を降りていく。



こうなると、長いんだよな.......


でも、アタシは今、早織の事しか考えられない。


「早織........」














気がついたら、また寝てしまっていた。


アタシはそばにあった目覚まし時計を手に取る。


「......もう、一時か.......」



喉、乾いたな.......



アタシは飲み物を飲みに、下に降りていく。



冷蔵庫からスポーツドリンクを取りだし、コップに注ぐ。


「んっ、んっ...........」


無機質な科学飲料の味が、今は心地いい。




ペットボトルを冷蔵庫にしまい、アタシは二階に戻った。








まっすぐ自分の部屋に向かう。


だけどーーーーー




アタシの足は、早織の部屋の前で
止まる。



「早織...........今はもう、寝てるはず........」


寝てる間に勝手に部屋に入るなんて、いけないことだというのは分かってる。


だけどーーーーー








アタシはドアノブを握り、ゆっくりと回す。



ドアが音を立てずに開いた。









部屋の中は既に電気は消えており、月明かりだけが闇を照らしていた。





ベッドの中の早織は毛布をかけて
おらず、パジャマ姿をあらわにしている。


ちなみに毛布は、何故かベッドの下に捨ててある。




「意外と、寝癖悪いんだね........」


思わず笑ってしまう。


アタシは毛布を手に取り、早織の体にかけてあげる。


早織が満足したように軽く笑った気がした。
















早織は本当に美しい。


無防備なパジャマ姿は、見てるだけで全身が火照ってくる。






出来ることなら、このまま早織に抱きついて一緒になりたい。



心も体もぐちゃぐちゃに混ざりあって一つになりたい。




世間体や法律なんかどうでもいい。



早織と一緒にいられるなら、何を犠牲にしたって構わない。



















アタシは、早織が好きだ。
世界で一番、早織を愛している。













「ちょっとぐらいなら、いいよね.......?」



アタシはベッドから身を乗りだし、顔を早織に近付ける。


ふんわりと甘い香りが、アタシの鼻腔を刺激する。















キス、したい。


だけど、それは早織に失礼。



ファーストキスが義理の姉だなんて、気持ち悪いもん。




だから、せめて..........



「こっち、触ろっと........」



アタシは早織の胸に、気付かれないようにそっと手を添える。



こっちの方が失礼かな?



でも、まあ、いいや。




「........柔らかい.........」



ふにふにと、早織の胸を軽く揉む。


早織の胸はとても柔らかく、たいした抵抗も無く、アタシの手を受け入れる。



「ホントに、マシュマロみたい.........」



すぐに止めるつもりだったのに、
自分の手を抑えられない。



それどころか、どんどんどんどん速く、強くなっていく。


数分後には、アタシは完全にベッドの中で早織の胸を揉みしだいていた。





............憲一さんがきたら人生終わるな。



だけど........







「もう、我慢できない.........」



早織のパジャマのボタンを、一つずつ外していく。



無音の暗闇にプチ、プチというボタンの音が響く。



全てのボタンを外したあと、
アタシは何のためらいも無くパジャマを左右に広げた。













「こ、これが........」




「早織のおっぱい.......」






初めてみた早織のおっぱい。




二つの双丘はアタシの想像を遥かに越えた美しさでそびえ立っていた。












アタシはその二つのおっぱいを
見ている内に.............





........なんか、虚しくなってきた....





自分の胸をそっと撫でる。




なんの感触も感じられないアタシの胸は、まさに『絶壁』。





あまりの自分の貧乳さに、自分で自分に憐れみを覚えた。





第一、こんなことしてどうするのだ。


このまま早織のおっぱいを揉んだって、早織がアタシの事を愛してくれる訳じゃないし、アタシの胸が大きくなる訳でもない。



ここで早織が起きたら、アタシは『妹のおっぱいを覗いた変態』として、一生嫌われる。




そもそもどんなに頑張っても、この恋は絶対に叶わない。



アタシには諦める選択肢しか無いんだ。






パジャマのボタンをひとつひとつ閉じ始める。



早織を起こさないようにボタンを閉めるのは少し難しかったが、何とか元通りにすることが出来た。





音を立てないようにベッドを降りて、早織の体を整える。



アタシはドアノブを回して、ドアを開けてーーーーーーー






























「.........待って..............」






「........え.......」

「待って、理可..........行かないで..........」

「さ、早織..........いつから.........」

「...........最初から、だよ.........」

「あ........ああ..........」

「理可..........」



分かっている。
もうアタシは二度と早織には近付かない。



早織が出ていけというなら、喜んで出ていく。



もしも、死ねというならーーーー それで早織が喜ぶならーーーーーアタシは死のう。





アタシは直立不動で早織の裁きを待った。




「理可............」

「...................」







「......もっと、触って......」




「...........え?」

「もっと触って........」

「な、なんで?」

「最初にやってきたのは理可じゃない............途中で終わらすなんて、ずるいよ.........」

「そ、そうだけど.........嫌じゃ、ないの?」

「なんで?」

「だ、だってアタシ女だよ?
それに姉だよ?気持ち悪くないの?」

「理可は気持ち良かったんでしょ?私だって、嫌じゃないよ?」

「そ、それはそうだけど.......」

「早くして........私もう、我慢できないよぉ.........」



早織が甘えた声で懇願する。








その声を聞くだけで、アタシはもう.............














「........ホントに、良いの........?」

「うん..........」












「.........後悔、しないでね........」




アタシはドアを後ろ手で閉め、早織の元にゆっくりと歩いていった............

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