04/16の日記
07:58
【エヴァ】使徒な主人公
---------------
−−−−1つになりましょう
−−−−還りましょう
頭の中で響く声に、俺は苦笑する。
毎日のように彼女は俺に還るように、1つになるようにと声をかけてくる。
彼が生命の実を選び、彼女の選択肢は知恵の実しかなかった。
彼女は、彼から生命の実を奪い返し完全になることを望んでいる。
何の因果か俺も彼と彼女がいるこの地球にやってきた。これは本来なら有り得ないことだ。
「私の使命は何。私の意味は何。私は、何?」
この星での俺の姿は、リリンと同じ。
というか魂が同調したリリンを器としている仮の姿。
俺と同じくリリンの姿をした彼女の魂の器が、俺にそんなことを言った。
使命は何か。存在する意味は何か。自分は、何か。
彼女の使命は彼女の魂の器となること。そして彼の子孫から生命の実を奪い返し完全なる存在になること。
教えてもらい理解した筈なのに、彼女の器はそれを認めない。認めて、理解した方がきっと楽なのに。
「あなたの使命は、何?」
彼女がポツリと呟いた言葉に、転んでいるベットのシーツを思わず見た。
見たことに意味はない。ただ彼女を見るのが何故だか、無性に、辛くなった。
俺の使命。そんなもの、俺にはないだろう。
彼女と彼が融合してこの星の生き物が1つになっても俺は別に彼女たちと融合することはない。
自由に決められる。選択肢がある。
でも多分俺は彼女たちと融合するだろう。
ネルフから与えられた自室。ここは俺の魂をこの体を結ぶ大事な部屋だ。
この部屋から出れば魂と体の結びつきは消えてしまい、俺は多分魂だけになるだろう。
そして自分の月で深い深い眠りにつく。
なんとなく、それは嫌だと。
そんな結末です嫌だと、俺の中の俺が叫ぶんだ。
「見届けること、かな」
この星の、行く果てを。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
彼女→リリス
彼→アダム
彼女の器→綾波
細かいとこだったり曖昧なとこは脳内補完。
主人公は綾波とカヲルくんみたいな存在だったり。
=つまり使徒
前へ|次へ
□ コメントを書く
□ 日記を書き直す
□ この日記を削除
[戻る]