星屑置き場

□黄色の薔薇の花言葉2
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「メアリー。貴女はね、黄色の薔薇よ」

「薔薇?」

「そう。ママの薔薇は赤色で、パパの薔薇は青色なの。みんなとっても美しくて、元気なの」

「わたしとパパとママの色を並べると、信号機みたいね」

「そうね」

黄色の薔薇の花言葉には、とにかく悲惨な花言葉が多い。

その代表格は、"嫉妬"

「ねえ、メアリー。本当はパパのこと、大好きなんでしょう?」

「大好きじゃないもん」

「本当に?本当は、もっとパパに構って貰いたいんでしょう?」

娘は甘えん坊だから。

だから、いろんなものに嫉妬する。

時に対象は母親であったり、父親であったり。ウサギのぬいぐるみや、マカロンにまで妬いたこともあった。

メアリーは愛されたいのだ。

だって、彼女はもっともっと愛されるべきなのだから。

「甘えていいのよ、メアリー。パパにもママにも。どんどん甘えて頂戴。沢山の我が儘を叶えてあげることはできないけど、いつだって、メアリーの頭を撫でてあげることくらいはできるわ」

「………………本当に?」

「ママは嘘をつかないわ」

「パパも、なでなでしてくれる?」

「ええ、きっと。おまけに、おでこにキスもくれるでしょうね」

にっこり。

私の言葉に、娘は満足そうな笑顔を浮かべた。

可愛らしい、なんて可愛らしい嫉妬心なんでしょう!

ちょっぴり傲慢で、ちょっぴり気弱な娘。

こんなに愛らしいだなんて。

嫉妬は醜い感情だと言われるけど。

私は、その嫉妬心すら、彼女の魅力だと思っている。
なんて、親バカかしら。

「どうすれば、パパ、なでなでしてくれるかな?」

「そんなの、簡単よ。なんたって、パパはメアリーの虜なんだから」

知らないなら、教えましょう。

望むなら教えましょう。

人として大切なこと。

魔法の言葉。

かつて、私の友達が理解できなかった、その一言を。

こう使うのよ。
想いを、伝えるの。




「愛してるって。大好きだって。伝えればいいの」
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