星屑置き場
□打ち上げ花火 side Ib
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いつもみたいに、子供をあやすみたいに、好きよ、って言い返してくれる?
それとも、私を嫌いになって、永遠のさようならを告げられてしまうかもしれない。
私の心は、もう打ち上がっているの。
ひゅーっと光の線を書いて、あやふやな闇の中をぐんぐん登って。
このまま気持ちを言葉にしなければ、花火は不発で終わってしまう。
だからね、一つだけ、わがままを。
せめてこの花火を咲かせたいの。
貴方にその気はないのかもしれないけど。でも、聞いて。私の心。
今、火薬が弾ける。
ああ、そんな酷く驚いた顔はしないで。
予想していたとはいえ、流石に厳しい。
ねぇ、ギャリー。
貴方の反応がどんなものだろうと、私は花火を咲かせられた、それだけで満足。
きっと、散りゆく火の粉は貴方に当たらないようにするから。
だからどうか。
私の花火が打ち上がった爆音は、覚えていてください。