迷い道〜復活〜

□触れない雪
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今日は風紀委員が門前に立って、服装や違反をしていないかを見る日だ。


だが、正直乗り気じゃない雲雀は、今日何度か目のあくびをした。

まぁ、風紀委員の前で堂々と違反をしている人などいるはずもなく、今日も何も無しで終わりそうだった。


草「委員長! 今日も誰も居なかったようです!」

雲「ふぅーん、そう。」

正門から少し離れたところに居た雲雀に駆けつけ、事を話す草壁に、全く興味がないような返事を返す雲雀。

雲「もう来る人いなさそうだから、門閉めておいてくれる?」

と、門周辺を一度見て雲雀が言った。

草「はい!わかりました!」

そう雲雀に告げると、門へ走り、閉める準備をする草壁。
門をあと締め切ったところで、誰かの声が聞こえた。




『待ってくださぁい。』


門前に一人の少女が立って居た。

風「お前は遅刻だ!クラスと名前は?」

『遅刻だなんて酷いですよぉ。後二分あるじゃぁないですかぁ。』


風「門を締め切った後に来る奴は間に合っていても遅刻なんだ。」

『なんですかぁ?そんな変なルールわぁ。改善した方がいいのでわないですかぁ?』


その言葉にカチンときた風紀委員全員。
ああ言えばこういう。 眼前の少女は、その言葉がぴったりだ。



『僕だって遅れたくて遅れて来たのでわないんですよぉ。』

と、少女が言ったので、風紀委員の一人がとう。

風「じゃぁ何で遅れたんだ!」

というと、

『家の中で迷ったんですぅ。』

と言った。
家の中で迷う?そんな変な話聞いた事がない。

ふざけるなと言おうと思ったが、

雲「何してるの、君たち。」

と、雲雀の言葉で遮られる。
風紀委員の後ろに、雲雀が立っていた。風紀委員全員は、一度固まったが、すぐに直った草壁が事を雲雀に話す。


雲「ふぅーん。残念打けど、君は遅刻だよ。それに君の服装は何?」

雲雀は少女に問いかけた。 いや、問いかけて当たり前だろうか。少女はスカートではなく、男子用のズボンを着ていたからだ。

『何って、何かおかしい事がありますかぁ?』

どうやら彼女は、自分が何故服装について問われていると言う事が解っていないらしい。

雲「おかしいも何も、何で君がズボンをはいているの。女子はスカート、男子はズボンってうちの学校は決まっているんだよ。」


雲雀がそう言うと、チャイムが響き渡った。

雲「これで君は完璧に遅刻だ。言い訳は聞かないよ。それに服装も出来ていないみたいだから、」

雲「咬み殺してあげる。」


といった。今の雲雀は、かなり殺気を放っており、トンファーを何時の間にか構えていた。


雲雀が門を飛び越え、少女にトンファーを食らわせようとした。


..........だが、彼女は軽々とよけ、門を飛び越えた。


(避けられた!?)
自分の攻撃が避けられ、思わず目を見開いてしまう雲雀。




『すみませんがぁ、僕は急いでいるのでぇ。 通らせて頂きますよぉ。』

と、気力のない声で無表情のまま靴箱へと走ろうと思ったが、トンファーが少女の背中に向かって投げられる。


.......がまたもや軽々とよけ、トンファーをキャッチした。


『いきなり何するんですかぁ。人にこんな危ないものは投げちゃぁいけないでしょぉ。』

と、涼しい顔で言う。


雲「せっかく面白い子に会えたんだ。僕の相手してよ。」


と言って少女に襲いかかる。



少女がさっき取ったトンファーと、雲雀のトンファーが金属の音が響き渡る。
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