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□Happy Halloween ☆
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なんで俺がこんな格好しなきゃならねぇんだよ、クソッ!!、、、
今日は10月末、つまりは31日
『ハロウィン』だ
何処ぞの誰かは知らねぇが、異国の文化を下手に真似しやがって...
おかげで俺はッ、、、!
忘れていた俺も悪いが、こんな面白いイベントを見逃すはずはねぇだろう奴等の存在を忘れていたことが一番の盲点だ!!
だーーー!!...最悪だ、、、、
ー時は数刻前のことー
「リクオー、いるかい?」
部屋で宿題をやっていたところに親父から声が掛かった。親父が俺の部屋に来るのいつものこと。だから、何も考えることなく返事をしてしまった。
それが間違いだったと後悔することも知らずに、、、
襖を開けて入ってきた親父に目を向けると、違和感を覚えた。
いつもの緑に縦縞の着流し姿ではなかったのだ。
大きな緑の帽子に羽織とは違う体を覆うマント、その中には洋服が見える。
いつもは宙に浮いている黒髪も今は背中に流れている。
その姿は正しく
魔法使いのよう,,,,
「魔女な」
「魔女かい!?、、って、違う違う!なんでそんな恰好してんだよ、親父!?」
「Trick or Treat!!」
「は...?」
「お菓子くれなきゃイタズラすんぜ?まっ、くれてもイタズラはするけどな♪」
「・・・っ!!そーゆーことかよっ!!いい大人がやってんじゃねぇよ!!」
「なんだい,,,菓子は無ぇのかい?んじゃー、イタズラだな♪」
「おいっ!!,,,ったく、しゃーねーな。」
ハロウィンをノリノリでenjoyしている鯉伴に止まる気配はなく、諦めたリクオは棚の中にあるお菓子を取りに腰を上げた。
その時後ろから舌打ちが聞こえたのは気のせいだ。
「確かこの辺に〜〜・・・」
棚の中を探るが、一向に菓子の姿は見えない。
(「まさかな・・・」)
少々慌てるリクオだが、あると信じてまた探し出す。
だが、結果は変わることはなかった。
こんな時に菓子切れかよーー!!
後ろをちらっと見てみれば、面白そうにしている鯉伴
本人は既に確信づいているようだった。
お菓子がないと・・・
「無ぇみてーだな...菓子」
ますます鯉伴の口角が上がる。
「ッ、、、!あるって!!」
リクオはこれでもかという程大慌てに探し始めた。
クソッ、、、!!
「リクオも頑張るねぇ」
その姿をニヤニヤしながら見る鯉伴
いくら探してもお菓子は出て来ないことを鯉伴は知っていた。
それもそのはず
仕掛け本人が昼の間にお菓子を棚から全部抜き取っていたのだから
それを知らないリクオは恰好の餌食
そろそろ待つのに飽きてきた鯉伴はリクオに近寄り肩口に顔を寄せると終止の声をかけた。
「悪いなぁ、リクオ...時間切れだ」
鯉伴がリクオの体を拘束するのと、リクオから悲鳴を上げるのは同時だった。