世界一初恋
□匂いと眠気
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「やっと終わったー」
俺は今物凄く疲れていた。まぁ、デッド入稿だし疲れたとか偉そうに言える立場じゃないけど、疲れたもんは疲れた!
今トリに原稿を渡したから多分今日はトリも家に帰って来られるだろう。
あれ?そういや俺たち何日仕事の話しかしてないんだろ?
てか…キスとかしてなくね?
やばいじゃん!!これっていつものことだけど…。だから逆にあせる。
もうお互いにこれが当たり前になってるし…。
それに…キスもしてないんだから、当たり前の様にエッチも…してないし…。
まさか、トリにかぎって浮気とかしてないよな!?
駄目だ…。俺んちに1人でいても余計に心配になるだけだ!!
よし、トリんちに行くか!!
今はもうトリに会って、仕事以外の話ができるだけで良い。
ガチャ。
俺は自分ちを出てトリんちへ向かった。
合鍵でトリんちの中に入り込んでトリを待つ。
いつ帰ってくるかとかは分かんないけど…。
でも今は待ってたい。
―――
あれ?俺、いつのまに寝てたんだろ?
てかなんだろ?なんか唇に柔らかい何かが触れてる。
なんか…気持ち良い。
ゆっくり目を開けると目の前にトリがいた。
???トリ?
え?…えぇっ!?!?
「お、お前なにやってんだよ!?!?」
『なにって見て分からないのか?』
「分かってるよ!!てかいつ帰ってきたんだよ?」
『さっき帰ってきたばかりだ。お前こそなんで人の家で寝ているんだ?晩御飯でも食べに来たのか?』
「そ、それは、お前と…」『俺と?』
「えっと…」
は、恥ずかしい…
トリに会うまでは、他愛ない話しでもしようとか思ってたのに、本人を前にしたらわざわざ話がしたいだけで会いに来るなんてウザイと思われるかもしれないし…。
なんてゆーか、女の子みたいじゃん。
…でも、伝えないと!
「俺は、お前に会いに来たんだよ!!」
『…えっ』
「ご飯食べに来たんじゃなくて、寝るために来たんじゃなくて、お前と話がしたくて来たんだよ!!」
『…それは本当か?』
「本当に決まってんだろ?…最近は会っても仕事の話ばっかだったし…キスとかもしてなかったし…」