BL置場

□You know?
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「―――――ハッ、やっぱ、俺の勝ちな」

「ハッ、ハアッ、ハァッ、やっ、ぱ…強い、っスね、青峰っち」

「ったりめーだ」

ごくり、と青峰っちの喉を通るスポーツ飲料
………めっちゃ美味そう
今日は何も持たずに散歩してたとこを何故か公園にいた青峰っちに捕まり、1on1をしていたから小銭すら持っていない
青峰っちクラスのプレイヤーとの1on1の後に飲み物が無いのは、辛い


「……青峰っち」

「あ?んだよ」

「ひとくち…ちょーだいっ!!」

ガバッと青峰っちの手にしている飲み物に飛び掛かる

「うおっ」

この人の敏捷力、反射神経はやっぱり異常だ
飲み物に到達する前にサッと避けられてしまう

「…うー」

「うー、じゃねえよ危ねぇな」

「…だって飲み物、忘れたっスもん」

「知るか、あー、うめぇうめぇ」

「酷いっス!ひとくちぐらい良いじゃないっスかあ!」

「…仕方ねぇな、可哀相な黄瀬君に、貸し1つな?10倍にして返せよ」

「へ!貸し!?しかも10倍返し!?ちょっ、そりゃ無いっス!」

「はあ?お前、そんな文句言える立場かよ…5倍にしてやろうか?」

「ほんと!ありがと!大好き青峰っち!」

「あーはいはい、分かった分かった、お前大好き大好き言い過ぎだぜ?」

ひょい、と投げられたスポーツ飲料
白い靄がかかったそれを受け取る
やっぱり美味そうで、キャップを捻る

「そっスか?」

「まあ、別に良いけどよ、女に言うもんだろ普通」

ゴクリ、と受け取ったスポーツ飲料
喉まで出かかった言葉も一緒くたに飲み干して

「そんな、特別な子、いない、っスもん」


特別なのは貴方です、なんて言えやしないで

【………You know?】


決して軽くない俺の「好き」を一身に受けている貴方は、1on1しよーぜ、と呑気に無知に笑う

伝える勇気も無いくせに、気付いてほしいだなんて我が儘をぶら下げて
泣くのは家に帰ってからかな、ぼんやりとそう思うのです

終わり


切なめ黄→青になってしまいました
楽しんで書けました(

期限…遅れて本当にすいませんでした!
駄目でしたら掲載されずとも構わないので、この作品は主催者様に委ねます!

 

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