無双orochi2夢小説

□■赤鬼さんと一緒(3)
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<注意!>
・この話には危険日(いわゆる排卵日)の表現があります。
・酒呑童子の「鬼としての側面」が書かれていたりします。
・うちの酒呑童子は天然、純粋、純朴ではないです。ちょい肉食系です。
これらが嫌な人はターンです!
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その日、酒呑童子は自分の天幕に篭っていた。
必要以上の外出は避け、常に鼻先には酒の入った徳利を近づけ、外部の匂いが鼻腔に舞い込まないようにしていた。
全ての感覚が人間とは比較にならないほど優れた酒呑童子は、この時ばかりは自分の身体能力を恨んだ。
酒の香りだけで外部からもたらされる刺激の全てをごまかすことは出来なかった。
酒呑童子は己が疼く心を宥めるように瓢箪を強く抱えこみ、勢いつけて酒を呷った。

困った・・・

酒呑童子は嘆息しながら自分をこの状態へと追い込んだ原因の少女を思い浮かべた。
思い浮かべ、そして心臓と胃の腑の辺りにゾワリと蠢くねっとりとした感情が湧き上がるのを覚え、慌ててかぶりを振る。

今は彼女のことを考えるのは、大変よろしくない。











「赤鬼さんと一緒」

〜 orochi2トリップシリーズ3〜












玲の匂いが変ったことに気付いたのは昨日からだった。

彼女が纏っている香気は、常日頃から酒呑童子にとって魅力的なものではあった。
酒呑童子を心地良く酔わせてくれるものだが、それがここ最近ではその質が変じてきていた。
当の本人は自身の変化など気付かない様子で過ごしているが、酒呑童子は彼女の些細な変化を見逃さなかった。

ちょっとした仕草の端々がどことなく艶やかで。
たまにふと吐き出される小さな溜息は熱っぽく。
彼女の全体の雰囲気が常よりも艶美になっている。
そして何よりも濃密な【女】の匂いがするのだ。

ひと月のうちで色艶が一番引き出される時期。
これは一時的なものであることを酒呑童子は知っていた。
妖蛇討伐軍には玲の他にも女が多く居る。
雑用の者や、兵士、将など・・・個人差はあるようだが、大多数の者が月に一度迎える時期だ。
それは月のモノを終えてから10日前後だ。

(何故酒呑童子が誰に月のモノが来ていると気付けるのかといえばまた簡単な話で、血の匂いをかぎ分けているからだった。
ただの怪我の血の匂いとは異なるその出血。
そこから日数計算で大体10日前後に、女が艶やかに化ける日がやってくる。
いわゆる、危険日である。)

大所帯ゆえ、酒呑童子は嫌でもこの官能的な刺激を味わい続けていたため、最近では慣れていた。
それに正直な話、酒呑童子は玲以外の女に別段興味はなかった。
だから慣れていた・・・はずだった。




まさか、その対象が玲だとここまでの威力になるとは思わなかった。
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