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□雪の結晶
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「はい、テツヤ。熱いから気をつけて」



暖かい飲み物が差し出された。
赤司君のベットに座りながら差し出された飲み物を飲んだ。




「温まったかい?」




「はい、ありがとうございました」




猛吹雪の中結構な時間外にいたので手足はガチガチに悴んでた。
体の芯から冷えていたので、暖かい飲み物は嬉しかった。

赤司君が隣に座ると持っていた
マグカップを取られてテーブルに置かれた。
そのままじっと見つめられた。
綺麗なオッドアイに見つめられ目が離せなくなる。




「赤司君・・・?どうしたんですか?」




「結晶がついてる。テツヤの髪に」




「え・・・?」




「ほら」




髪の毛から優しくすくい取って見せてくれた。




「綺麗ですね」




「そうだね、でも綺麗なものはすぐに壊れてしまう」




そう赤司君が言ってるそばから
小さな結晶は赤司君の体温の熱で溶けて消えてしまった。




「綺麗な物や美しいものは、繊細で壊れやすい。何故なんだろうね・・・?」




赤司君は少し悲しそうに言った。

何も言えない僕を赤司君がそっと抱きしめてきた。




「テツヤは、まるでこの結晶みたいだ。すぐに壊れて消えてしまいそうだ」




ぎゅっと抱きしめる力が増した。




「僕はそんなに脆くないです。ちょっとやそっとでは壊れませんよ」




抱きしめている腕に手を添える。




「テツヤが壊れるなら僕も一緒に壊れるよ」




小さく笑いながら抱きしめてくる赤司君に
僕も抱きしめ返した。




「だからテツヤ、僕が壊れたらテツヤも一緒に壊れてくれる?」




綺麗なオッドアイの持ち主は不敵な笑みを浮かべながら僕の目をじっと見てくる。




「嫌だと言ったら、どうするんです?」




「僕と一緒に心中してもらう」




「結果的に同じじゃないですか」




「そうだね」




「でも、いいですよ。僕は赤司君のものですから」




ぎゅっと力を込めて抱きしめると
赤司君が耳元で、ある言葉を小さく囁かれたのだった。






end..





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