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□愛しいキミ
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そしてボクは……。

「あーうぁーうーぁぁーぉ!」

『今日は、随分と元気だねテツヤ』

「あーあーぉあーぅん!」

小さい紅葉の様な手でぎゅっと僕の
服を握りしめる赤ん坊。
まだ、首も座ってない生後何ヵ月で
ようやく、目が見える様になってきたのか
キョロキョロと動くものを目で追っている

「あぅーぁーぁー」

『何だ?テツヤ』

あーあーと小さい手を伸ばす姿は
愛らしくて可愛い。
肌は真っ白で、赤ん坊特有の香り
プニプニの手を軽く握ると
握り返してくれながら花が咲いたように
柔らかに笑う。そんな姿も愛らしくて
僕はテツヤに溺愛している。

「あーあぅーん」

『何だい?テツヤ?』

他の奴には分からないだろうが
今、テツヤが発した言葉は
僕の名を呼んだのだ。
頭文字の征十郎とは言えないが
赤司の頭文字[あ]なら赤ん坊でも言える。
まぁ、テツヤになら何と呼ばれてもいい。

可愛い可愛い僕のテツヤ……

今日も僕の腕の中で微笑んでいる。


3年後

「あーくん、あーくん!」

『何だい?テツヤ』

ズボンの裾をクイクイと引っ張るテツヤは
小動物の様で、透き通った水色の大きな瞳フワフワな産毛の様な髪の毛を
揺らしながら上目遣いで僕を見てくる姿は
愛らしいの一言で……。

僕の妖精は天使へと進化したな。

今年で3歳になるテツヤは
見た目によらず、好奇心ともに男前で
たまに、3歳児には見えない時がある。

「あーくん、きいれますか?」

「ん?あぁすまない、聞いているよ」

舌ったらずな言葉だが、テツヤの言葉は
自然と耳に入ってくる。

本当に可愛いなテツヤは……。


更に4年後

あんなに小さかったテツヤも今年から
ピカピカの小学一年生だ。
まぁ、今も小さいけどね……。

「赤司君、早く行きましょう!
遅れたら大変です!」

『そんなに慌てなくても大丈夫だテツヤ』


艶のある黒いランドセルを小さな背中で
背負っている後ろ姿には、まだ幼さが残っている。周りの子達と比べ物にならないくらいに可愛いな僕のテツヤは……

完全な親バカ


更に6年後

あーくん、あーくんと呼ばれていた時代が懐かしいと思えるほどにテツヤは成長した。

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