四天王寺

□妹
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「おー財前!遅刻やで!まあ、いつもの事か……ってユカリ?今日も来たんか?」
「ユカリ!?何で今日も来るねん?!」
『1日だけじゃあ、猫被って普段はサボるかもせーへんやん』
仁王立ちで堂々と兄に言うユカリ。


すると……


「白石〜どこ見とるんやーー!いっくでー!スーパーウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐〜!!」
「ああ、アカン。金ちゃんのこと忘れとった」
砂嵐が吹き荒れる。
思わずしゃがみこむ部長。
他のみんなも自然と姿勢を低くする。
「ユカリもしゃがみいや!」
『ほへ?』

ーズカッ

『うきゃ』

「ユカリ!」
『あへへえ〜』
「アカン……伸びとるわ……保健室連れてかな…………」
「はあ……俺が行きます」
「ホンマか?財前。すまへんなあ」











お姫様抱っこをしてユカリを保健室へ運ぶ。
ユカリをベットに寝かせ、コートに戻ろうとしたときー
『ほにぇにぇ』
「ー?」
ユカリの顔を除覗き込む。
『ふん?わあっ!』

ガバッ

「何で顔赤いんや?顔面にボール当たったんか?」
『ち、ちゃいます!……そんな至近距離で見られたら……』
「何て言うた?」
『何でもあらしません』
「じゃあ、俺部活に戻るで」
と言って保健室を出ようとするとー
『あっ!あの……有り難うございました』
無言で保健室を出ていき再びテニスコートをめざした。
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