□君にはいつも
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「フリオ!いけそうッスか?」

「ああ、大丈夫だ」
いつもすまないというとティーダは太陽みたいに
そんなこといちいち気にしないと満面の笑みで微笑んでくれた。
ティーダにはいつも救われているな…。
自分より動くのが速く守られてばかりのような気がする。
俺には彼が太陽のように見えた。
俺だけを照らしてくれる唯一の太陽。

「な〜にしてるッスか?」

「ああ、これか?これは…、そのあれだ…」

「あれ?」

「べ、別に…、なんでもないんだ!」

「あ、逃げた!」

こんなの言える訳ない。
男がこんな女子のようなものを作ってるだなんて…。

お前へのお礼に考えていたものだなんて素直に言えなかった。


…―よし出来た。

後はティーダに持って行くだけ。
それだけでも心臓が無駄に動いてバクバク鳴っている。
きっと今の俺の顔はほんのりとしたピンク色に染まっている。
ここは勇気を振り絞って…

「ティーダ!」

「何?フリオ?」

「そ、そのこれを…」

「お菓子?」

「そ、それじゃあ!要らなかったら捨ててくれ…」

そう言って進もうと思ったけど、前に進まない。
いや、進まないんじゃなくて進めないんだ。

「フリオ、逃げんなよ?」

このままだときっと煩い心臓は鳴り止んでくれない。
顔に熱が集まってまともにティーダの方を向けない。

「そ、そうだ用事が…!」

「フリオがこっち向くまで行かせない」

今彼の顔を見るのは多分無理だ。
だけど、ティーダは守ってくれたり励まして
くれたりしてくれる。
だから応えなきゃ。

恐る恐る顔を上げて前を見てみるとにっこりと
微笑んでくれた。

この笑顔がいつも俺を救ってくれるんだ。

「フリオ顔赤い。照れてるな〜」

「わ、悪いのか?!」

のばらみたいで可愛いっていう殺し文句を目の前にいる
明るい茶色の髪の彼が言ってきた。

きっと、ティーダなら今後自分の身を預けでもって…
俺は何を言っているんだ。
それでは、ティーダのお荷物になる。

それにティーダが、自分のことを好きだとは限らない。

「フリオ」

「ん?なんだ」

「フリオの作ったお菓子食べたいな〜。」

「え?食べてくれるのか?」


 
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