□君にどうぞ
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「スコールは俺のだから譲れ、クラウド」

「断る。スコールをあんたに渡さない」

なんでこんな事が…。こいつらいい加減にしろよ。
いつまでも保っていられるほど俺は気長じゃない。

「おい、お前らいい加減にしろ!」

「嫌だね」
「無理だ」

(…同時にハモるなよ。)

はあ、と溜め息をついて俺は
ひとまずその場から逃げるような形で去った。

(―…ってここ何処だ?)

どうやら自分は見知らぬ場所に飛び込んだようで
自分が何処にいるのか分からなかった。

(…取りあえず、歩くしかないな)


ひとまず逃げたは良いが、この先どうすれば
良いだろうか。
俺は誰のものでもないんだ。

喉が無性に乾いてきた。可笑しい。
俺はいつもしっかりと水分補給しているのに…。

「喉が乾いたのであろう?」

「…!!お前はッ!カオスの手先か」

不覚にも後ろの気配にまったく気付かなかったわけだ。
だから今こうして近くに敵がいる。

「だとしたらどうするのだ?」
「…やはりな」

あれは皇帝とか言っていたな。一体俺に何のようだ?
あいつが戦うのは俺じゃなくてフリオニールだろ?

「…やるのか?」

はっはっはっはっと高笑いすると
いいや、止めておこうと言った。

一体何がしたいのか俺には分からない。まあ、理解もしたくないが…。



        
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