小説置き場

□好き×単語×無限
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「ゴーン」
「なあにキルア」

名前を呼ぶといつも通りの笑顔で振り向いてきた

「かわいい」
「え?なんか言った?」
「いーや、なんにも」
「あ、そう」

やっぱり耳はいいようで、
俺が小さく呟いた言葉も聞き逃さなかった。

まあゴモゴモって言っただけだから言葉は聞こえなかったと思うけど

「ゴン」
「何?」
「ゴン」
「何?キルア」
「ゴン」
「だから何?どうしたの?」

なんとなく。

ゴン、という俺にとってはただの一単語ではない一単語

名前を呼びたかった。
言葉にしてみたかった。


「ゴン」
「・・・なあに?」

なんで、
なんで鬱陶しそうな表情1つしないんだ?

ひたすら名前だけを呼ばれて・・・
腹はたたないのか?

「キルア」
「ん?」
「俺に、何か用?」
「・・・」
「あるんだったら、なんでも言ってよ」

そこでゴンは歯を覗かして笑った
吸い込まれそうだった

「ゴン」
「なあに?」
「ゴンはさ、」
「うん」

「俺の事、好き?」

無意識のうちに口から出てしまった

照れ隠しのように口を抑えて、
俺はゴンの顔をおそるおそる見上げた

そこにはきょとんとしたゴンの顔があった。

「・・・」
「キルア」
「ん、ん!?」
「俺、キルアの事大好きだよ」

そういってまた笑うと今度は俺を抱き締めた。
いい匂いがした

「キルアの匂いだ」
「ゴンの・・・ゴンの匂いだ」
「いい匂い」
「ゴンの匂いも・・・いい匂いだ」

そこでゴンは俺から離れて
俺の目をまっすぐ見つめてきた。

「大好きだよキルア」
「お、俺だって・・・俺だってゴンに負けないくらいゴンのこと好きだよ」
「あれ、大はつかないんだ?」

悪戯っ子みたいな無邪気な笑顔を向けられてとっさに出た言葉、

「だっ、だい・・・大っ好き!」
「ありがと」

今度は俺がゴンを抱き締めた

「ゴン、大好き!」
「俺もキルア大好き!」



‐END-
〜あとがき〜

支部にあげていた小説です。
ゴンキルちゃん可愛いです。禿げます←


20120812


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