恋捜Novel
□いじめっ子君と私
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穂積室長とお付き合いを始めて、8ヶ月。
相変わらず忙しいながらも、二人の仲は順調に行っていると思う。
昨日の夜も、仕事帰りに一人室長の部屋へ。
一週間振りに行くその部屋の荒廃っぷりに溜め息を吐きながらも、好きな人の部屋を掃除する事にニヤニヤしちゃったりとかして…。
我ながら、溺愛してるな〜と、最近つくづく思う。
洗濯機を回しながら、夕飯の仕度をする。
(ゴミ以外)何にもなかったキッチンには、今では炊飯器や、鍋、まな板、包丁、調味料などなど、普通に生活が出来るレベルまでは揃った。
室長の部屋だけど、このキッチンは私だけのテリトリーな感じがして、
" 私が確かにここに存在しているんだ"
と、安心感を覚える。
時計の針が8:30を回った頃、インターフォンが鳴り、玄関に駆け寄り、ドアを開けた。
翼「泪さんっ!」
そこには帰って来るのを待ちわびていた室長の姿があった。
穂積「…お前ねぇ、
開ける前に確認しろって先週も言っただろーがっ!
俺じゃなかったらどーすんだ!」
ドアを開けて第一声から怒られる私って…と思うが、室長の言ってる事はごもっともで、シュンとなる。
翼「…ごめんなさい…」
俯いた私の頭に室長の大きな手がポスッと乗っかる。
許してくれた…?
チラッと室長の表情を見上げて見る。
穂積「許したと思ったか…?」
翼「ええぇ〜っ?!
ダメですかっ!?」
穂積「フッ…
嘘だよっ…
あ〜腹減ったー、何作ったの?」
この位の会話でさえもキュウンっとなってしまう私は、相当重傷ではないのか…とも思う…。