王子様と執事

□Eyes on me
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一週間後。

〜 創立記念祭 当日 〜



イネス「ユナ〜!
なにやってんのぉ?!もうっ!
ほら行くよっ!」


ユナ「あっ!ちょっ!イタタっ。」


男性「あっ!ちょっと待ってよ!」


イネス「待たないよーっ!
私のユナにちょっかい出すなっ!」


走って来たイネスに腕を掴まれ、引っ張られる私。

バランスを崩しながらも、慌てて持ち直し、なんとか付いて行く。


イネス「もうっ!何やってんのぉ?!
遅いから迎えに来てみればー!」


ユナ「ごめんね!
なんか勧誘されて、断ってたんだけど…」


イネス「そーゆーのナンパっつうのっ!
それよりさっ、大講堂、前の方の
凄いイイ席確保出来たんだ!」


ユナ「そうなんだ、
結構並んでて大変だったんじゃない?」


イネス「ふふん、そんなの私に掛かればなんて事もないわ!」



……何したんだろ…(笑)


ユナ「イネス、今日のドレスカッコイイね!
すっごく似合ってるよ!」


記念祭は、いつもより皆ドレスアップして登校する。

たまに仮装レベルの人もいるけど、それもまた風物詩であるらしい。


イネス「そう?サンキュ!
スカートって柄でもないからさ!
ドレスっぽいけど実はパンツになってんだ〜」


ボーイッシュで、どちらかと言うと中性的な魅力を持った彼女は、頼れるお兄……いや、お姉さん的存在で、学内の皆からも人気がある。


肩を大胆に出したフレアのパンツドレスは、そんな彼女にとてもマッチしていた。



イネス「ユナもめちゃめちゃ可愛いじゃん!
これじゃ今日も盛った雄達に囲まれる事間違いなしだわ。」


ユナ「…オスって……
そんな、私なんて外国人だから珍しいだけだよ。」


イネス「なに言ってんの!
今時外国人なんて何にも珍しくないじゃない。
ユナの事狙ってるヤツ凄いいるんだからね!
変なのに引っかからないよーにっ!」


ユナ「イネスがいるからダイジョーブっ!」


イネスの腕にピョンっと絡みつく。



イネス「カワイイ奴めっ!

あっ!うわ〜、講堂すっごい人だな。
ユナ!
ウチらも負けずに行くよっ!」

ユナ「え…?!
あ、うん!」


席を確保してあるならそんなに急ぐ事もないのでは…と思いながらも、大講堂に集まった人混みに揉みくちゃにされながら、イネスの後を追うのだった。



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