王子様と執事

□Claude to love
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一応洋服をいつもより若干よそ行きに取り替えてダイニングに足を踏み入れた。




クロード「ストップ!!」

ユナ「きゃっ!!」



部屋へ入った途端、いきなりクロードさんの厳しい声が飛ぶ。


ユナ「びっ…ビックリした…」

クロード「勝手に入らないっ!」

ユナ「ええっ?!
そうなんですか?!
いつも通りやってしまいました…
スミマセン。」


入った瞬間から既にレッスンは始まっていたらしく、第一歩目で早速怒られた…。

クロード「エスコートされるまで待ちます。

こちらへどうぞ…?」

クロードさんがエスコート役までしてくれるのか、テーブルまで私を案内する。


スッと音も立てず椅子をひく。

"" んと…もう座っていいのかな…""


ひかれた椅子に腰を落ろす。


ドスンっ!

ユナ「わっ!」

タイミングが良くわからなくて勢いよく座ってしまった。

チラッとクロードさんを見上げると、しっかり眉間にシワを寄せて私を見下ろしている…

ユナ「……失礼しました…。」


その後、食べ終わるまでの間、ずっとクロードさんに逐一注意(叱られ…)されながら食事をした。


"" うぅ…食べた気がしない…""

クロード「初回にしては…」


ユナ「…初回にしては…?」


クロード「悪過ぎです。
お話になりません。」


ガックリ…と、ちょっと大袈裟に項垂れた。

そんな私の頭のてっぺんを見下ろしながらクロードさんが口を開く。


クロード「……ですが…
あなたが、私のレッスンに対して、

"泣かない" "反抗しない" "諦めない"

この3つを守って頂ければ、5日で私が貴女をレディにして見せます」


いつも通りの涼やかな表情でそう告げた。


"" なんか…凄い…クロードさん…""


クロード「お返事が聞こえませんが?」

ユナ「 !はいっ!
泣きませんっ!」

クロード「あと2つ。」

ユナ「うん…と…、
反抗しません!
…と…、あ!
諦めませんっ!」


勢いよく答えた。

クロード「ふっ…。
宜しい。
お任せ下さいませ。」

"" あっ…ちょっと笑った!""



ユナは、クロードの微かな笑みを見つけて胸が温かくなるのを感じていた。



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