長編(パロ)
□file,4-1 同級生の依頼
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最近はあの雑木林に囲まれた家で情報を集めることが多くなった。
梓も手伝ってくれている。
細かい話はしてくれなかったが、梓は首輪のチャームにある一族に仕えていたそうだ。
その為か魔法の事にも詳しい。
洋館の図書室では知ることの出来ない情報も教えてくれた。
最近では呪文を作ったり、薬の調合なんかも一緒にやっている。
「こんにちは〜」
今日はバイクを飛ばして朝から山奥の洋館にやってきた。
「いらっしゃい。澪ちゃん」
「澪!今日は早いな」
「お休みだから」
万年25歳の二人は仲良く朝食を取っているところだった。
「梓は?」
「いつものとこでくつろいでたよ」
そう聞いて庭に向かう。
日当たりのいいそこは梓のお気に入りの場所だ。
「ご主人様!おはようございます。今日は早いですね」
「おはよう。今日はあれで薬の調合しようと思ってたから」
私が庭に出ると駆け寄りながら朝の挨拶をしてきた。
私は庭の一角を指さしながら理由を答える。
今日明日は学校も休みなので、バイトも休みを入れた。
庭には多種のハーブが植えてある。
小さな温室もあって種類は多岐にわたる。
魔法に使うための物たちだ。
土仕事を嫌う住人達も“仕事で必要だから仕方ない”とブツブツ言いながらやっている。