starry☆sky 短編
□星を仰いだその先に
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『仰げば尊し 我が師の恩』
三年間前、新しい生活に心通わせながら、はじめて足を踏み入れたこの体育館で、私は歌う。
寂しい…悲しい…何より…
『教の庭…にもっ…っ…』
怖い…
明日からの新しい日々を思うと、心が潰されそうになった…。
『っ…ぅ…』
熱い涙が頬を伝い、思わず口元を手で覆えば、隣から伸びてきた優しい手が、私の涙を拭った。
『…!』
「…大丈夫。お前には俺がいる。みんながいる…。何も、怖くないから…。だから歌って?これが…最後なんだ」
私たちが、ここで過ごした日々を…その証を…今ここに…
『…うん…』
心に焼き付け…一歩踏み出す…
『いざ さらば』