starry☆sky 短編
□星の罠
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「私、先生のこと好きですよ」
その言葉はいとも簡単に発せられた。
コイツはいつもと変わらぬ笑顔で、口調で、そしてその雰囲気で、俺にそう言った。
「………」
不覚にも驚かされた。
意図を探ろうと表情を伺うも、コイツからは何も読み取ることが出来ない。
「黙らないでくださいよ。
あ、驚いちゃいました?」
ハーフとも見れる美しい顔立ち、妖艶な笑顔、それらが夕日の光に映える。
言葉使いも大人さながらで、隙を見せず、的確に追い込まれている錯覚さえ覚える。
「あぁ。心臓に悪いから大人を弄ぶのは止めなさい。」
大人、なんて言葉は所詮は言い訳で、コイツはそれを見抜くかのようにまた笑みを深めた。
「弄んでいるつもりはないですよ?ただ…少し楽しんではいますが…」
それに…いや、それ、なんて一つを指定出来ない何かに…引き込まれる。
「どちらが先でしょうね…先生」
後気づく。
これが、すべての始まり。
あとは巧妙に仕掛けられた罠にはまるだけ…
【startrap】