試し読み
□怪盗集団潰し【zodiac sign】
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tears of the polestar。
それは、手にした者の願いを叶える石。
そんなモノが、この世界には存在し、そんなモノを求めて、人々は傷つけあう…。
その波に巻き込まれた人々も数知れず。
そして彼女もまた、その1人だった…。
「zodiacにFMS…。まったく、厄介なのが出てきたな…」
彼女は参ったように頭を掻く。
その2つの名は、どちらも最近巷で噂になっている怪盗集団の名だ。
「でもまぁ…、私はやるべき事をやるだけね。tears of the polestarは、人類の希望なんだから…」
……〜★〜……
「怪盗集団潰し?」
すでに定例となった情報交換会で、Capricornの口から出た物騒な単語を、Ariesが復唱した。
他のメンバーも複雑な表情だ。
「そう。最近、tears of the polestarを狙っている怪盗集団が、次々に襲撃を受けているみたいなんだ」
Capricornがノートパソコンを叩きながら答え、それに苦虫を潰したような表情でPiscesが言う。
「そりゃあえらく物騒な話じゃねぇか」
「だな。その話だと、ここも例外じゃない」
Piscesに同意したのは、全員分の紅茶を淹れながら話を聞いていたCancer。
「いつ襲ってくるか分からない敵に備えろって?面倒くさいな」
低血圧が通常運転しているのはCancerが紅茶を注いだティーカップを受け取ったGemini。
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!?どうにか対策を打たねーと!」
Geminiに突っ込むのは基本はLeoだ。
「そうだね。ここまで来て、その怪盗集団潰しなんかに、作戦をメチャクチャにされたら堪らないよ」
そう黒い笑みを浮かべるのはTaurus。
「相変わらず完璧主義ですね。まぁ、僕らはなんでもいいですけど。ね、Aquarius」
「む?なんの話なのだ?」
「やっぱり聞いてなかったか。話が聞けないならこれは没収だ!」
そんな会話をしながらAquariusのいじっていた発明品をSagittariusが取り上げ、部屋が一層騒がしくなる。
「まったく…」
その2人の様子を見て、またかと言ったように眉をひそめるのはVirgo。
Virgoは次に隣のもう1ペアを見て再びため息をついた。
「で、あなた達もちゃんと話を聞いていますか?」
「はっ、いや、すまない。余りに美味いので夢中になっていた。が、話は大体把握している」
食べる手を止め、真面目に返答するのがScorpio。
「ん…。何…?」
未だもぐもぐとお菓子を頬張り続けるのがOphiuchus。
テーブルに出された13人分のお菓子は、ほとんどがこの2人によって消費されており、それに気づいたCapricornが「あぁっ!いつの間にこんなになくなってる!」と慌ててお菓子の方に走り、会議だったはずの集まりは賑やかなお茶会と化した。
その様子をずっと見ていたLibraは軽くため息をつくものの、止めるつもりはないらしい。
そのLibraの横でAriesがケタケタと笑うが、ふいに笑みを消してLibraに聞こえるようにだけ言った。
「で、どうする?Libra」
「どうもこうもないだろう。ここまで来たんだ。ここでzodiacを潰す訳にはいかない」
「…あぁ、そうだな」
zodiacはそれから怪盗集団潰しに対する対策を練り、それは思わぬ結果に繋がることとなる。
……〜★〜……
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