企画物
□優羽さんとの相互記念
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各々に割り当てられた寮の一室に、4人の少女が集まり、部屋の中央に据えられたテーブルを囲んでいる。
「まずは初めまして。
星空彗星、星の在処ヒロイン月見里咲夜です」
「同じく星空彗星、太陽の道標ヒロイン小鳥遊七歌です!」
『はじめまして!
星の栞、星の絆ヒロインの月夜見星です』
『星と同じく星の栞、星の魔法ヒロイン、星原夢ね!よろしく!』
「楽しくお話を始める前に、まずは相互ありがとうございます」
『いえいえ、こちらこそありがとうございます』
しっかり者2人が軽くお辞儀する。
「この小説は相互記念ってことで、主たちが企画したコラボなんだけど、マジグッジョブ!!
女子に囲まれるとか幸せ過ぎて「なな、あ〜ん」
『『!!』』
咲夜は笑顔で何かを七歌の口に放り込んだ。
『(何今の!?)』
「五月蝿くてごめんなさいね?
話を戻すと、相互記念にヒロイン4人でお話をして欲しいってことで集められたんだけど、取り敢えずこれ作ったからどうぞ」
『わ!美味しそう!』
テーブルに広げられたのはマカロンやクッキーといったお菓子で、先ほど七歌の口に放り込まれたもののようだ。
星が食いつくように身を乗り出す。
「星ちゃんと夢ちゃんの口に合えばいいんだけど……」
という咲夜の心配とは裏腹に、夢は早速そのうちの一つに手を伸ばし口に頬張った。
『あ、夢早っ!』
それを見てすかさず口を挟む星。
『おいひぃ!!ほら星も!すごく美味しいよ』
『もぅ〜…先にいただきますだよ?』
『あ、そっか、いただいてます』
夢は咲夜に向き直って手を合わせた。
なんだか拝んでる形に近い。
『じゃあ私もいただきます』
「ふふ、どうぞ」
続いて星もお菓子に手を伸ばし一口頬張る。
『ほんとだ、美味しい!
咲夜ちゃんお菓子作り上手だね!
今度教えてほしいくらい!』
「じゃあ今度一緒に作りましょ?」
『ほんと!?やった!』
「あ〜もう!そういう微笑ましい会話もいいけどさ!!
こんなに女子が集まってるんだからガールズトーク!ガールズトークしよ!!」
『(七歌ちゃん本当に女の子好きなんだな…)』
「ガールズトークって言われても困るのよね」
「じゃあ、アタシから質問!!
星と夢の好きな食べ物は?
ちなみにアタシは咲夜が作ったお菓子ね!!」
『あぁ〜、確かに咲夜のお菓子はやみつきになるわ…
七歌いっつもこんな美味しいもの食べてるなんてうらやましい!』
夢のお菓子を食べる手は止まる気配がない。
『夢食べ過ぎ…しかも質問の答えになってない…
とりあえず、私はフルーツが好きかな?桃とか甘いフルーツ。
はい、夢は?』
『私は綿あめかなぁ?
なんか夢があると思わない?』
「夢だから夢があるものが好きなんだね!」
「『『…………』』」
「…………ごめん」
『ううん、こちらこそごめん。
夢が変なこと言うから…』
星がジトッとした目で夢を見る。
『え〜、今の私ぃ?』
『絶対、夢』
「星ちゃん、夢ちゃんも悪気があって言ったんじゃないんだし、ね?」
「そうそう喧嘩はダメ!!」
「七歌のせいなんだけどね?」
咲夜が不自然な笑顔を向けると、七歌の視線が泳いだ。
「あ、あはは!あ〜何だったっけな〜?
あ、好きな食べ物!!フルーツ美味しいよね!!
咲夜が作ったフルーツタルトとかスッゴい美味しいし!!」
『咲夜ちゃんのフルーツタルト…!?
そんなの絶対美味しいに決まってるじゃん!』
キラキラと目を輝かせる星。
『星が食いついた』
『だって咲夜のフルーツタルトだよ!』
『やばい、星が変なテンションに…咲夜助けて、咲夜の好きな食べ物は?』
「うーん、私は特にないのよね」
「またそういう事言う!」
「だって出されたら食べるもの。
食べるより私が作ったお菓子を食べてくれた人が笑ってくれるのが嬉しいの」
そう言って微笑む咲夜を見て七歌が両手で顔を覆った。
「可愛いから許すっ!!」
「ふふ、ありがとう」
『咲夜らしいね。じゃあ次は私から質問ね!
このメンバー一人一人にイメージカラーをつけるとしたら何色だと思う?
はい、じゃあ咲夜のイメージカラーから!』
『イメージカラーかぁ…
咲夜ちゃんはふわふわしてて優しいイメージだから、パステルカラーとかかな?
あ、ほら、丁度このマカロンみたいな!七歌ちゃんはどう思う?』
星がマカロンを片手に小首を傾げる。
「まさにそのイメージカラーだよ!さすが星!!
もうパステルカラーとか正に咲夜って感じじゃん?
桃色とか水色とかクリーム色!?あと欠かしちゃいけないのは白!!
私の天使なんだから白は欠かせ「なな、あ〜ん」」
咲夜が再び笑顔で七歌の口にお菓子を放り込む。
『なんかこの光景見慣れてきたかも…咲夜恐るべし…』
『敵に回しちゃダメな相手だよね…』
「私のイメージカラーはもういいから次は星ちゃんね。
…そうねぇ、星ちゃんはお月様の色かしら?
優しくて落ち着く色」
『あ、それいいね!星にピッタリ!
夜空を照らす柔らかい光…みたいな!?』
『ちょっ!2人とも恥ずかしい…
持ち上げすぎだし…』
「私は思ったことを言っただけよ?」
『星はなんでこんなところで謙虚になっちゃうかな?
私たちが言ってるんだから素直に受け止めなさい!』
『………』
『何故黙る。』
『夢がまともなこと言『はい、じゃあ次七歌ね〜!』………』
『七歌はそうだな〜、赤とか青の原色系かな!
なんか、他の何色よりも存在感がありそう!』
「まぁ良くも悪くも目立つし?
髪も目も赤いしね。青とかは初めて言われたかも」
「怒ったときのななは青のイメージがピッタリね。
でも、ななはやっぱり赤。髪も目もアネモネの花みたいで綺麗だもの」
「………」
七歌が咲夜を手招き、近づいてきた咲夜を自分の膝に乗せて頭をなで出した。
「なぁに?」
「……なんでもない。ほら!次、夢ね!
夢は………なんだろ?オレンジとか明るい色?
夢見てるとなんかこっちまで元気になれるし」
『オレンジかぁ〜…
まあ確かに色も雰囲気も暗い色は嫌いだけどね。
てか、そこイチャイチャしない。星どう思う?』
『咲夜ちゃんそうしてるとホントにお人形さんみたい…可愛い…』
「ありがとう」
ふわりと微笑む咲夜の頭を星が超ソフトタッチで撫でる。
『星、そっちじゃない。私を放置しないで』
「何?夢、羨ましいの?じゃあおいで〜って言いたいとこだけど私の膝の上は咲夜の特等席だから」
これで我慢してね?と七歌は夢の頭を撫でて笑った。
『!べ、別にそんなんじゃないのに〜…』
顔を赤くして頬を膨らます夢。
『とか言いつつ気持ち良さそうだね夢。
私は星の妖精の夢にはピッタリだと思うよ!』
「夢ちゃんの髪、綺麗な黒だしマジックも黒のイメージだけど、こうやって話してると元気貰えるし明るい色が合うと思うな」
『そうきたか。うん、でも納得かな。綺麗ってのを除いて』
「綺麗じゃん?アタシ夢の髪好きだし。
てか、マジックってさ、やっぱり休みの日に練習とかしてるの?
あ、どうせだから皆の休日の過ごし方も聞いときたい!」
『練習はするよ。人前で失敗なんか許せないからね!
夢が無くなっちゃう!』
『夢が休みの日に練習…しかも失敗って想像できない』
『あとはそうだな…学校中にマジックのタネを仕掛けてる』
「「『!?』」」
『あと仕掛けてないのは保健室と理事長室だけなんだけどな〜!
いっつも琥太郎先生に止められるの』
「さすが夢。考えることが違うわ」
「……琥太郎先生、保健室と理事長室以外の仕掛けも阻止してくれないかしら」
「でもここまできたら保健室にも仕掛けてストール驚かせたくない?」
「琥太郎先生、驚くかしら?」
『そうなんだよ!あの人何仕掛けても動じてくれないの!』
「じゃあチビッコでもいいけど、あ〜前髪とかもいいね!」
「つまり誰でもいいんでしょ?ふぅ、夢ちゃんとななが一緒にいると何するか分からないわね。
星ちゃんはお休みの日何してるの?」
『私?うーん…特に何をしてるってないけど、最近はギリシア神話の星座の本を読んだり、話を聞かせてもらったりしてるかな?』
『うわ、勉強熱心!』
『夢が勉強しなさすぎなんだと思う…
それに、私にとって神話を調べるのはもう趣味なんだよね。勉強と言うより。
知れば知るほど面白いよ!』
「神話は確かに勉強って感じではないわよね。
教科書も読書感覚で読んでしまえるし」
『私には分からない話だわ〜…
で、七歌は休日どんな過ごし方してるの?』
「アタシは取り敢えず体動かしてる!
どっかの部活にお邪魔したり、後は料理とか!!
たまに咲夜と錫也も一緒に作って月子とかとお昼したりしてるかな」
「みんなでご飯食べるの楽しいわよね」
「咲夜と月子だけだったらもっと楽しいんだけどね。
休日はもっと咲夜と一緒にいたいのにあんまりかまってくれないし」
『(七歌今サラッとヒドいこと言ったような…)』
「そんなこと言って夜はいつも私の部屋に来るじゃない」
『ふふ、なんか想像つくな〜。七歌ちゃんと咲夜ちゃんすごく仲いいからね。
咲夜ちゃんは、七歌ちゃんと一緒にいるとき以外はどんなことして過ごしてるの?』
「私は部屋で勉強したり校内でお散歩したり、後はお菓子作ったりヴァイオリンとかピアノを弾いたりしてるわね。
たまに錫くんとか颯斗くんも一緒に「アイツらしめる……!」………何?」
七歌を見上げて首を傾げる咲夜に七歌は不自然な笑顔を向け、それを見ていた夢がポツリと呟く。
『出た、青七歌』
「何でもなーい!今度お菓子作りとか演奏するときは呼んでよ?
虫はアタシが排除するから!!」
『錫也くん、颯斗くん逃げて〜!』
星が咲夜に聞こえない程度に叫んだ。
「?虫なんてそんなにいないし大丈夫よ」
『咲夜、七歌には世界の大半が虫に見えてるみたいだから侮ったらダメだと思う』
「…?」
咲夜は一人だけ首を傾げキョトンとした顔をしている。
『確かに…まぁまぁ、それは置いといて!
みんなの私生活を知れたところで次は私から質問………………って、あ!』
何かを思い出したように、慌てて時計を見る星。