頂き物
□最後に残るのは
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『500らしいね。』
「…何がだ?」
『一樹のせいで颯斗君が黒板キーキーした数が。』
「数えてたのかよ…っていうか、」
『?』
「…まだ俺以外の男を名前で呼んでんのか?」
『まだって…大体、一樹と付き合い始めて1週間だよ?それ以前からの習慣ってなかなか止められないし…』
「だからって、意識してやってりゃ直るだろ…」
『…一樹は108が似合うよね?』
「煩悩まみれって言いたいのか?てか、数字が似合うってなんだよ…」
うわぁ目が笑ってないよー…
『煩悩って色々あるよね。』
「話の戻し方が雑だぞ。」
『煩悩と言えば、一樹はこれだけは捨てられない欲ってある?』
「せいよk『除夜の鐘聞きに行って。今すぐに。』
「お前が質問してきたんだろ。…ってか、まだ半年も先じゃねぇか。」
今は梅雨真っ盛りだしね…
『動画探したらあるんじゃない?』
5分後−
『…あった。』
「ネットってすげーな…」
『ほら、これ聞いて煩悩を抹消したら?』
「…あのなぁ。」
『何?』
「この状況で煩悩消せる訳ないだろ。」
『…?』
「…目の前に好きな女が居て、煩悩消せたら男じゃねぇよ。」
『…す、すき…?』
「相変わらずすぐ顔赤くなるな…そんなのでこれから大丈夫か?」
『これから…?』
「…何するか言って欲しいのか?」
み、耳元で囁くなー!
『い、いいっ!』
「遠慮するなって。…ほら。」
『わっ!』
気が付けば先輩の腕の中だし…
「ま、言わないでおいてやるよ。」
やれやれ…
「…行動で教えてやるからな。」
マズイ、一樹がこの笑顔の時は…
『いや、ちょっと待って…』
「待てねぇな。…いただきまーす。」
『うあぁー!』
最後に残るのは、愛だと思う
(会長、星見会のことで相談が。)
(ちっ…颯斗!今のタイミングわざとだろ!)
(…501回目、やりますか?)
(ぬ?何なのだ?!)