Hilcrhyme Dream

□最後、片思い。
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白いタキシードを着た貴方が、
私の前を通り過ぎて行く。

少し緊張した様な、
真剣な眼差し...


貴方の隣に立つのは
私じゃない、別の人...

笑顔の似合う、
少し小柄な可愛らしい人。







貴方にぴったりの人...



「来てくれたんだ」

幸せいっぱいの貴方が、
私を見つけて駆けてくる。

「.....」

私は涙を堪えて、
必死に笑って見せた。

「ありがとな」

「....よかったね」

泣き崩れない様に
両足に力を入れる。

「あぁ...すっげぇ幸せ」

その言葉通り、
本当に幸せそうな笑顔。

私の胸を抉る...

「幸せにしてあげんだよ」

「当たり前だろ?あいつは、
俺が一生守るって決めたんだ」








痛い、痛い、痛い、痛い...








そんな笑顔私に見せないで...



本当は「おめでとう」なんて
思ってないの...


本当は結婚なんて、
して欲しくないの....


本当は貴方が好きなのに...




「....ごめん。携帯鳴ってるから」


そう呟いて、私は式場を出た。














そして壁に凭れて、泣いた。






最後に...




















一つお願いさせて。













私が貴方を忘れて、
素敵な人に出会えます様に....











その為に、私はこれを…














最後の片思いにするから....




















(最後、片思い。)



end
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