夜空

□二人だけのクリスマス
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 だから大会に出て勝って、夜鷹に褒められる事が何より自分へのプレゼントになる。
「そうだ、大狼」
 夜鷹は、何か思い出した様に空の顔を見た。
「何ですか!?」
「クリスマスはどうしたい!?」
「どうって……フツーにクリスマスを味わっているかなぁ。 俺、ガールフレンドとかいないし」
 空は参ったなとばかりに髪を掻いた。
「一緒にどうかな、大狼」
「えっ!? 夜鷹さんは、ガ、そのガールフレンドと過ごすんじゃ」
 もう言葉にならなかった。 一緒になんて何を言い出すのだろう、この人は。 からかわれているのか額面通りなのか。
「だってお前の誕生日だろう!? 部員の顔と名前。 誕生日位は把握しているよ」
 言いながら、わしわしと夜鷹は、空の髪を撫でる。
「それ、反則です!」
 空は、真っ赤になった。
「ははっ、可愛いなぁ、大狼」
 夜鷹は、悠然と笑って空を見た。
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