黒鉄
□長い夏休み
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「俺達、ライバルだけど―――その友達だし、一緒にいてもおかしくないだろ」
「ははっ、そうだよね」
考えてみたらそうだ。
「何か期待してるのか!?」
真顔でシドウは、言った。
「バ、バカ!」
シドウがそんな冗談を言う奴じゃない事は、僕も知ってる。 シドウは、本気なんだ。
期待、か―――何か胸がざわつく。 僕達は、男同士だから、それ以上の事は何もないのに。
僕にとってこれから長い夏が始まろうとしていた。
〈了〉
(20120815)
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